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おいしい と うれしい のあいだにあるものが
なんだかとても気になります
その部分を、わたしなりに綴れたらいいなと思っています
あまりうまく伝えられないと思うけど

【01】ニコニコ はにかみ



これは、ある雑誌の仕事で作った、ニコニコ!なクッキー。
「笑顔が大切」というような企画のために用意したものです。
といっても。わたしの本業はお菓子研究家ではありません。
(って、完成度からすれば本業でないことは一目瞭然ですね 汗)

いつもは雑誌や書籍などで絵の仕事をいただく、
イラストレーターをしています。

「ニコニコマークのクッキーをオオノさんの好きに作ってください」。

ここのところ、わたしはアイシングクッキー作りにハマっていて
そのことを編集者の方が覚えていてくださり、今回のような仕事に。
好きに作ってください・・・とは、イラストレーションならまだしも、
これは、なかなかできないオーダーです。
お菓子作りの素人であるにもかかわらず、なんだか申し訳なくも
作品の仕上がりを信じてもらえたようでうれしい気持ちになりました。

クッキー作品をおもしろがってもらったのだし
こちらも楽しくはりきらなくっちゃ! と
編集者の方がよろこんでいる姿をイメージしながら
どのように作るかを考えました。


自分なりのテーマは「欧米の子供が作った」ようなテイスト。
素朴だけど色彩はポップ。いきおいのある、楽しそうな感じで。
シチュエーションは、誕生日パーティ。
集まった子どもの一人が作って きたような。

その子は髪の毛がクリクリでそばかすがいっぱいの、はにかみやさんで。
おしゃべりな友達を横目に、その子はいつもだまっているんだけど
思いをうまく伝えられなくてモジモジしてしまう。これはいつものこと。
はて。はにかみやさん。パーティでは歌ったり出し物をする勇気もないし、
喜ばせるための言葉なんかも、考えたところで
きっとアタマが真っ白になってしまうだろう。。
うーん、わたし、どうしよう、どうしよう、と
はにかみやさんは考えた。できることは得意なお菓子作り。
ニコニコのクッキーをいーーーっぱい作って持ってきた。
パーティの主役の子は「あなたらしいね、ありがとう!!!」
なんて 言ってくれて
はにかみやさんは、
やっぱりいつものようにモジモジして言葉がでなかったけど、
思いっきりの満面の笑顔! みたいな・・・



梅雨のころ。雨がそぼ降るある日、編集者の方と会いました。納品です。
完成したクッキーは強力乾燥剤とともに大きなタッパーに入れました。
「一応、確認のために・・・」とフタをあけたときのこと。
ふんわりやわらかいにおいと、鮮やかさと 笑顔。
わたしはクッキーの説明の言葉が出ず、ちょっととまどう。
あれ? このシーン、なんだか知っているような? 
なんて思ったのでした。

【04】
食べてしまいたいほどの、
可愛さならば

【03】
ゆうぐれ、いちばんぼし

【02】
あけまして
おめでとうございます

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