日々の歌<6> ―八首―
洋行帰りの瀟洒な紳士 つばくろは 田舎雀に目もくれず飛ぶ
田舎者につばめ返しはできまいと 雀の前を早わざで飛ぶ
つばさ広げ巣の上にいる親が見ゆ その下で眠るヒナは幾羽ぞ
吾が足でもはや行きえぬ故里よ 行きえぬゆえにことさら恋し
今日は子猫の命日とせん 国道でひかれて死んだあの子のために
ツとシの書き誤りを正せぬまま 七十才を越えし人あり
ホテイアオイの水がめの水がゆれるのに まなここらせばアメンボなりき
暑くなればバナナのソバカス早く出る 出ればいそいで食べねばならぬ
日々の歌<9> ―七首―
日々の歌<8> ―五首―
日々の歌<7> ―七首―