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49 昔話 <4>

自分の昔話をする人間にはなりたくないと、10代や20代の時は思っていたものだ。
しかし、考えてみるまでもなく、現実に生きて来た時間の事を喋るなら、それはいつだって昔話なのだ。

<野良犬>
(猫のいない町)

この連載を始めて
そう言えば
と気づいたことの一つ
「猫の記憶がないな」

当時
町中の動物といえば犬
それも
今ではすっかりその存在が
絶えてしまった野良犬たち

僕が小学生であった
昭和30年代後半から
40年代前半の大阪には
町のいたるところ
野良犬はいて
彼らはまた
いたるところにあった
空き地によく出没した

空き地といえば遊び場である
僕たちとの関係も
自ずから深かったわけで
野良犬との思い出
その映像はすぐに出てくる
ところが猫は皆無
何故そこに猫はいなかったのか

いないわけはないだろう
うんうん
記憶から単に抜け落ちているだけ
あるいは
記憶に残るほどの
猫との体験がなかっただけのこと
そうかも知れない
そうだろう

もしかしたら
野良犬がいたから

答えかもしれない
今となっては確かめようもないが

しかし
野良犬が普通にいた町って凄いなあ!

<じゅんぺい>


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昔話<8>
<遊び場 その4>

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<遊び場 その3>

51
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<遊び場 その2>

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