47　昔話　＜2＞

自分の昔話をする人間にはなりたくないと、10代や20代の時は思っていたものだ。
しかし、考えてみるまでもなく、現実に生きて来た時間の事を喋るなら、それはいつだって昔話なのだ。

＜24人＞

小学校を卒業するときに
ガリ版刷りで作った
卒業文集のタイトルを
６年間を共にした24人を
映画の『24の瞳』（だからこれは12人なんだけど）にかけて
『24の◯◯◯◯??』（手元にないので◯◯◯◯??は失念）とした

何人かの転校などによる移動はあったものの
最終的には24という数字には
変わりなかったように思う
（もし違うならこれを読んだ方　教えてください

自分を除く23人の名前を
今すべて思い出すことはできないが
遊び仲間であった数人の名前は
その容姿と共に
そして遊びまわった
学校の中や大阪の街の光景風景と共に
僕の記憶の（それも人間関係の記憶の）
古い層の中に
今もきっちり大切に保管されていて
ひょんな時に思い出しては
その光景の中の人物に
心の中で話かけたりする

「谷本くん　お兄さん面白いね」
「緒方くん　あの本また貸して」
「山田くん　帰り寄るね」
「堂田くん　野球版しにいくよ」
「稲野くん　セミドロップいかすね」
「山本くん　また外で遊ぼう」
「佐々木さん　もう一緒に行くのはいやなの」

そして今を生きる僕のこころは
少し元気になったり
楽しくなったりして
リスタートするのだ

＜じゅんぺい＞

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