31　さイなら　と　こンちは

生きている間に
通い合える心の数は
どれほどやろ

通い合う
なんちゅう事の定義も
むずかしゅうて
客観的に誰にでもあてはまる基準を
作ることができるんかどうか
わからへんけれど

自分の場合に限定したら

にこやかにおだやかに
会話することが
通じ合う事の条件なんかやあらへん
むしろ逆や
議論したり
感覚的に
好き嫌いの部分でも
言い争ったりする時間や
時にはなんにも言わへん時間を
どんだけ共有できるんか
共有してもずーっと
離れずにいられるか
ってことが
通い合う心と心の
在り方なんやないかって思う

あんたしかいてへんね　ゴメン
みたいなギリギリの境界線の上
自分の生を全部傾けていけるような
エゲツナサを含む関係性

『えー　そんな心　存在するんかいな』

それを探さなアカンとは言わへんけど
それに出会いたいって
常に思てるなあ
あるいは今あるこの関係を
そういうふうなもんにしていきたいなあ
って

最初の質問の答えを言うなら
イチとかニとか
少ないやろなあ実際のとこ
イチでもあれば幸せか

でもたくさんの人に会うて
たくさんのさイならとこンちはを繰り返せば
そんな心と出会える
あるいはそんな心の関係性を
作り出せるかもしれへんなあ

あきらめんとイコカ
たくさんの　
さイなら　と　こンちはを
今日も繰り返して

＜じゅんぺい＞



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