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ワタクシがここで書き連ねる「東京俺好」。「トウキョウオレスキー」と、発音しますが、東京の中のワタクシの
「好き」な所、それは店であったり場所であったりするのですが、そんな好きな場所を「適当」にご紹介する、という文章です。 基本が「適当」なので詳しい場所とか書きません。気になったら皆さんも「適当」に散策して、出向いたりしていただければいいかな、と思っているのです。東京に生まれて50年少々、曾爺の代から江戸東京と永く住んできたこの街の「俺の」スキなところを勝手適当に書き連ねる「東京俺好」(トウキョウオレスキー)。よろしければ皆さまもテキトーに楽しんでいただければ、と思います。


その14 
昭和の生殺し


 さて、あと10年も経たないうちに、東京で再びオリムピックが開催されることが決定し、ソコに住んでいる我々にとってはイイのだかワルイのだか定かではありませんが、歴史をひも解いてみるまでもなく、1964年の「東京オリンピック」によって、高速道路の建設や新幹線事業などが推し進められ、街や生活が急速に代わって行ったのはご存知のとおり。おそらく当時の東京都民は、これで多くの戦前からの建物を含めた景観が失われてゆくのを、寂しく眺めていた事と推測する次第ではあります。

  が、さて、2020年までに、やはり同じように東京の街は「激変」するのかと言えば、実はそんなでもないような気もします。ただ、大正時代や明治時代のず〜〜っつと旧い建物などは、確実にその姿を消すか、明治村とかたてもの園的なモノとして「保存されてゆく」んでしょうね。

  というわけで、今回のオレスキーは両国公会堂。
 いいですね、公会堂。
 もうそのコトバや字面からして昭和っぽいです「コウカイドウ」。
 
 調べたらこの両国公会堂、大正15年建築。関東大震災の直後に建てられた、復興建築のひとつだそうで、松本零士先生が漫画で描く無意味なメーターっぽくてやたらゴッツい武骨な本体に、なだらかで優美な緑色のドーム。隣の安田庭園の池に映るその姿は、なんともモダ〜ンで美しいものであります。

  ただ、大正15年、すなわち1926年なものだから、不動産的に言えば「築87年・空き家」状態。老朽化で崩れそうだから今では適度にほっとかれておりますな。入り口なんてベニヤ張っただけのテキトーさ加減。柵も立入禁止のテープもないので、間近で観ることも可能なんだから廃虚好きの方にとっては存外の贅沢。でも時々掃除してあったり、窓とかがきれいになってるので、全くの放置プレイではなさそうです。

  ということは、すなわち実際持ち主の墨田区も苦慮しているようで、再生するのか保存するのかリノベーションするのか、全くどうなっているんでしょうね、と言う感じ。この中途半端な放置プレイは、極めてお役所的ではあるものの、そのぞんざいな扱いが実はこの優美な建物に微妙な、マゾヒスティックな価値観を産み出しているのではないかとヒソカに思っているのです。言わば建物の「生殺し」状態。クライマックス寸止めってところでしょう。

  もちろんオレスキーなステキ建物だけに、ワタクシとしてはこのままほっといて朽ちるに任せておくといいのかなって気がします。何て言うんですかね、あと7〜8年ぐらい放置しておいて、そう、丁度オリンピックの頃、中に怪しい生き物とかワケの解らん植物がニョキニョキ生えてきて、程よいヤバさ状態になってから探検するのを生中継!って、無責任に面白がれそうなんですけど・・・・。

例によって超テキトーな説明
JR総武線/地下鉄大江戸線「両国」駅
相撲取りの聖地・国技館(「ケ」を抜かした「カ行」勢ぞろいでギスギスした感じ)の近く。高速道路と隅田川、デッカイ某電波系会社のビルと安田庭園、震災祈念堂などに囲まれてひっそりと立ってます。ソコだけ昭和な感じがプンプンで、夜はちとコワイです。

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懐中雑誌「ぱなし」のWebサイト。通販でも買えます
http://panassy.p1.bindsite.jp/

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まつばらあつし
matsubara atsushi
1960年 東京都葛飾区生まれ
お絵描き屋さん&文字書きやさん、時々ガッコの先生
映画TV技術協会会員・ナショナルジオグラフィック協会会員
TSUTAYA会員
http://atts60.blogspot.com/



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10years!

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2015

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