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 ワタクシがここで書き連ねる「東京俺好」。「トウキョウオレスキー」と、発音しますが、東京の中のワタクシの「好き」な所、それは店であったり場所であったりするのですが、そんな好きな場所を「適当」にご紹介する、という文章です。基本が「適当」なので詳しい場所やメニューとか書きません。気になったら皆さんも「適当」に散策して、出向いたりしていただければいいかな、と思っているのです。東京に生まれて50年少々、曾爺の代から江戸東京と永く住んできたこの街の「俺の」スキなところを勝手適当に書き連ねる「東京俺好」(トウキョウオレスキー)。よろしければ皆さまもテキトーに楽しんでいただければ、と思います。


その6 デッカイ目玉



瞬きもせずにぐるぐる世の中をみているデッカイ目玉

 正直コワいです。
 ナニがコワいって、眼だけなのにすごくデカイ。
 眼だけでも鬼太郎の目玉おやじサイズなら可愛いかな、と思えるんだろうけどコイツは高さだけでも3m程あるし、横幅なんて10mはあろうかと。そんなデカいのに目玉だけだから超コワいんです。何かの間違いでまばたきしちゃったら、全力で逃げます。ソレが新宿の目。

 新宿の目を初めてみたのは、たぶん中学生の頃だと記憶してるんですが、調べてみたら1969年の設置だからまあまあ、当たっているような気がします。

 当時の新宿西口って、コドモが足を踏み入れてはいけないような殺伐とした雰囲気が漂っていて、実際学生運動の真っ最中で火炎瓶が飛び交い、警察とヘルメット被った人達が肉弾戦を繰り広げている、そんな現場だったのです。そんな時代背景とも相まって、どうも新宿の目は「恐い」というイメージが未だにつきまとっていて、オトナになった今でも、あのスバルビルの地下を通る時はなんかドキドキしちゃったりしているのです。

 そう言えば、この新宿の目の目の前では、美術系の学生が田舎からきたような高校生にシンナー売ったり、カゴに詩集を入れた女の娘が「詩を買ってください」って売りに来たり、いろんなことがあったなあと思い出すのですが、たぶんそれは新宿でも別の場所で、何かアヤシイ、胡散臭い行為は全て新宿の目の目の前で行われているっていうイメージがボクの中にはあるような気がします。

 さらに言えば、当時の少年ジャンプに載ってた諸星大二郎さんのマンガ「夢見る機械」で、夢を売る秘密の工場の入り口がこの新宿の目だったりして、怪しいスポット東京ナンバーワン的なイメージがあるのです。

 一時期、眼の中のぐるぐる渦巻くライティングが停められていて、常に新宿中を見透かしていたような光が消えたのを寂しく思ってたのですが、また最近ぐるぐる動いているようなんですがドウなんでしょう。正直確かめに行くのもコワいんですけど。

 したがってコワくて恐いけど、そんなに恐いなら避けて通ればイイものを、ついつい前を通ってしまう、そんな新宿の目が、実はワタクシのオレスキーだったりするのです。とは言うものの、やっぱ恐い。

 例によって不親切な説明。
 東京界隈の方であれば説明は不要かもしれませんが、新宿駅西口地下。スバルビルの下辺りに、で〜んとあります新宿の目。1969年設置。宮下芳子さんの作だそうです。
 しばらく前に立っていると、中に吸い込まれそうな感じになるぐるぐるの案配が快感というかなんと言うか。やはり裏にはなにかひみつの会社があるような、そんな怪しさが魅力であります。

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懐中雑誌「ぱなし」のWebサイト。通販でも買えます
http://panassy.p1.bindsite.jp/

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まつばらあつし
matsubara atsushi
1960年 東京都葛飾区生まれ
お絵描き屋さん&文字書きやさん、時々ガッコの先生
映画TV技術協会会員・ナショナルジオグラフィック協会会員
TSUTAYA会員
http://atts60.blogspot.com/



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