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Vol.8 オリジナルスプーン完成!!


 つ、ついに完成!
 わたくしごとで恐縮だが、先日、彼女への誕生日プレゼントに、純銀のスプーンをつくった。最初はスプーンとフォークのセットだったんだけれど、両方作るとなるとあまりにも高かったので、どちらか一本てことに。
 で、結局スプーンを選んだ。

 僕がよくアクセサリを作ってもらっている職人さんは「スプーンを作るということに対して、不安を隠そうとしなかった。アクセサリの専門家にとって、食器類は、結構めんどくさいらしい。

 たとえば、食器は口に入れるので、基本的に純銀でなければいけない(アレルギーや、有害物質の侵入を防ぐため)。でも、上部には、デザインを施すために硬さのある「混ぜ物入り銀を使わないとダメらしいのだ。

 また、スプーンは、上下の重さのバランスを取らないといけないらしい。つまり、茶碗なんかにスプーンを立てかけた時、ヘッドが重くてでひっくり返るのはダメなのである。
 こういった実用品ならではの制約があるのだ。

 でも、作ると決めたら作る!!
 職人さんもぼくもいよいよやる気である。もはやプレゼントとかはあまり関係なくなっていて、夏休みの図工のような楽しみだ。

 最初はサルや猫などの動物をあしらったデザインにしようと思ったのだが、動物モノは相当な技術者でない限り、幼稚なデザインになる可能性があるとして却下された。その他に、いろんなアイデアが出てきては消えを繰り返したのだが、最終的に、アンティークの鏡をベースに作ることになった。ぼくらは実際にアンティークショップに行き、そこにあった手鏡のデザインを模写してきた【図1】。


【図1】

 次は、ロウで細かい形【図2・図3】を作っていく。この時点でこのスプーンのデザインの90%は決定された。本当に小さな手鏡のようだ。


【図2】


【図3】

 そして、このロウをベースに、銀を流し込む型を作り、混ぜ物入りの銀を流し込む。そうすると、【図4】のように、大雑把ではあるが、スプーンの上頭部が出来上がってくる。


【図4】

 次に、雑なディテール部分を手作業で削り取る。そして輝きを与えたのが
【図5】だ。ちなみにこの時点で、彼女の職業であるバレリーナがヘッドに施されている。そこから、下に純銀のスプーンを取り付けたら完成【図6】である。


【図5】


【図6】

 所要時間およそ一か月。仕事の合間にしてはよくできたと思う。

  来年は、何を作ろうか。
 一昨年はネックレス、去年は指輪と、別に誰に頼まれたわけでもないのだが、どんどん制作物のハードルが高くなっている。

 そろそろ、アクセサリや食器なんか飛び越えて、“ゲージツ家”のクマさんぐらいぶっ飛んだオブジェをデザインしてみよーかな。。
http://www.kuma-3.com/






HP「高橋大樹のマーケット放浪記」
http://hirokitakahashi.com/

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