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Vol.7 今年はスプーン&フォークに決定!!


 年に一回ぼくは、アクセサリーを作る。
 彼女の誕生日に、いつも自分でデザインして、知り合いの職人さんに作ってもらっているのだ。

 いや別にノロけているわけでは全然なくて、プレゼントをする必要に迫られたとき、なんだかぼくは、既製品を買うのがどうしても嫌なんである。

 確かに既製品は素人が作るよりもきれいだし、金を出せば手間もかからないんだけど、別にそこら辺を歩いている人が、同じものを持っている可能性もあるわけで、なんだか、特別な感じがしないし…誕生日のプレゼントにするのは、ちょっと違うんじゃないかなぁと思ってしまう。

 当初気付けなかったのは、毎年作っていると、もう後には引けない状況に追い込まれてしまうということだ。

 今年あたりサボろうかとも思ったが
「あら、今年は作ってくれないのね?
 なんて言われかねない予感がする。。。

 さて今年は何を作ろうか。。。

 2年前、最初にあげたのはネックレスだった。
 デザインは僕がやった。彼女の肌は結構黒いので、基調はアメリカンインディアン、黒いシルバーを海に見立てて、その上に太陽を模したまん丸のゴールド。横には三本の銀の棒がちゃらついているのだが、これは太陽の光を表現。裏側にはメッセージを彫った。




 去年は指輪。
 参考のためにいろんな種類の指輪を観察したが、品のある指輪というのはなかなかない。アクセサリーリングは、その存在を見せつけるような派手なデザインが多いし、反面、結婚・婚約指輪は、儀式的な行儀のよさだったり、健全な感じだけが目立って、遊びや色気が少なくなる。

 でも一つだけ、なんというブランドだか忘れたが、デパートのすみに置いてあった、イタリアのシンプルな指輪がとてもきれいだったので、真似て作ってもらうことにした。
 職人さんは「こういうのは微妙なバランスで品性が保たれているから、できそうにない。だめ」と言ってきた。
 でも無理やりやってもらった。それがこれである。なかなかのもんである。



 で、このあいだ、とあるバーで、今年はどうしようかと職人さんと打ち合わせをした。
 「アクセサリーはもう飽きたんで、他のものがいいんですけど」
 とぼく。
 「たとえば?」
 「でっかいオブジェとか…」
 「高くつくよ。それに、東京ではそういうのできないよ。地方の工場にもってかないと」
「 えー…」
 話が暗礁に乗り上げそうになった時、注文したチーズが運ばれてきた。
 皿のすみには、小さくてセクシーなフォークがついてきた。
 職人さんは言った。
 「あ、スプーンとフォークはどう?」
 「いいね!」

 ということで一転、即決。

 あと一か月ぐらいで完成予定。
 できたらこのページでお披露目したいと思う。






HP「高橋大樹のマーケット放浪記」
http://hirokitakahashi.com/

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