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その2
智恵子記念館と父の横顔

数年前、恩師の遺作展を観るために福島を訪れました。
その後、二本松にある智恵子の生家と記念館へ向かったのですが、
既に時間が大分押していました。
閉館ぎりぎりか、観れてもほんの少しというところ・・。

その時、道中で智恵子と光太郎への熱い想いを語っていた
私の気持ちを察してでしょうか、
普段は高速でも飛ばさない父が、
無言でスピードをあげて、ただ黙々と運転してくれました。
ふと父の横顔を見上げた時、
この光景は一生忘れられないものになると予感しました。

そんな甲斐あって、
閉館ぎりぎりで駆け込んだ記念館は生家と合わせて、
30分もあったでしょうか・・。
本物が見れると期待していた紙絵は作品保護のため、全て写真でした。
私はなるべく智恵子の息づかいが感じられるもの・・
流れるように美しい文字の手紙や、
まるで男の人が描いたかと思うような力強いデッサン、
色調の美しい油絵等を夢中で観ました。

本人も自覚し、また光太郎も(智恵子は)
油絵具を十分に克服する事がどうしてもできなかった
と何度も記していますが、
私には本当に美術を愛する人の情熱を感じました。



記念館の後「樹下の二人」の詩碑がある智恵子の杜公園を散策しました。
夕刻で寂しく、二人が静かに燃える喜びで手を組みながら
眺めたはずの安達太良山や阿武隈川も、
残念ながら曇っていてよく見えませんでした。

それでもこの旅は、智恵子の美にかけた情熱と、
父の横顔を思い出す忘れられない旅になりました。

2011.1.22

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