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002『青春リベンジ』

私は大学生時代太っていた。それも現在より10kgも。
そしてとても奇妙な服装をしていた。

大学生といえば20歳前後。
まさに若いというだけでちやほやされる年頃だ。
巷は数年前から”女子大生ブーム”で湧いていたが
美大生だった私は『女子大生らしい可愛らしさ』よりも
『美大生らしい怪しさ』を優先させていた。

例えば、髪型はおかっぱに近いショートボブ。
おにぎりのようにぱんぱんに張った顔の真ん中には
セルロイド製の赤い花びら型フレームメガネ。
両親のサイケデリックな古着を改造して着用。
全身カエルのような緑色で統一した事も。
太めを隠すためのマント的要素の高いものも多かった。
もちろんだが膝丈タイトスカートなんちゅう
女子大生らしいものは履かなかった。

本人はそれらをお洒落(=自己主張)と思い込んでいた。
地方出身者としての気負いも手伝ったか。
何もない自分を隠す為の鎧だったのか。
バイブルは『an an』と『オリーブ』だったのだが
なにか読み込み違いをしていた様に思う。
美大生は奇抜なファッションの人も少なくなかったので
私だけ学内で目立つような事はなかったのだが
今思えば生物学的には間違っていた。

あれから20年近く経った今、
当時結構モテていたイングリット・バーグマン似の親友は言った。

「なっちゃん(私の呼び名)、あのメガネとファッションはマズかったよね!
あれじゃ男の子にモテないよ〜」

・・・なぬ?
あの時言ってくれまへんかのぅ。

確かに男子大学生からのお誘いは、
一部のモノ好きを除きほとんど皆無だった記憶がある。
(モノ好きと言われた方ごめんなさい)

アルバイトの面接に行けば「服装が怪しい」という理由で不採用。
道を歩けば脇にいた親友だけ声をかけられる。

ダイエットもしなかったわけではない。
しかし甘いものを心の拠り所にしていた私は痩せるはずがなかった。

ところが年齢を重ねるごとに奇抜な服装には興味がなくなり
なぜか私は痩せていった。(しぼんだ?)
ダイエットもそれなりに効果があった。
いつしか服装も普通になっていった。
そして今や膝丈スカートも自然に履く様に...!
お洒落の意味が少しは理解できるようになったかもしれない。

と、思ったら遅い青春がちょっぴりやってきた。
青春と言っても女性として人並みに(!)
扱ってもらえている感じがするという意味だ。

電車の中で酔っぱらいが私の足元で寝始めた時
とっさにサラリーマンらしき男性二人がよけてくれた。
何だか嬉しかった。

しかしながらちょっと遅い。
欲を言えば20年前に経験したかった。

女性が女性らしく男性が男性らしくする事は自然なことだと今は思う。
それは服装に限らないけれど。

その反面「人は外見ではない!」とも言いたい
もう一人の自分もいたりするのだが。。

何はともあれ
ささやかな私の青春リベンジ。

頑張ってるおばさんに見え始めたらやめることにしよう。

.....自然が一番カッコいいのだから。

※注:絵と文章は7割関係ありません

http://mie-mama.jugem.jp/



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