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エグザイル

人が国をつくろうとするとき、かならず異分子が生まれ出ます。
人間の歴史は、治める人々と、主義を違える民が織りあげたタペストリーのような気がしています。
一枚の歴史絵巻の織目には、いくつもの「被征服民」という「文様」がかくされています。
いままで彷徨った旅先で見聞きした、歴史の影に追いやられた人々の異聞伝承。
それらから、「まつろわぬ人々」という横糸をほぐし出し、
あらたなタペストリーを織り出してみたいと思っています。
エグザイル。
直訳すると「亡命・流浪・流刑・国外追放」です。
その言葉に、勝手ながら「辺境に追いやられながらも、立つ意志を持つ人々」という意味を与えてみました。
様々な史実に沈殿したエグザイルな人々。
私の心の中に滴り落ちてやまないエグザイルエッセンス。
これは、そんなエッセンスをもとに創りあげた異境世界イメージボード集です。


Board-4

■場所/赤の崖
■花謳う月、満月まで二日・朝



吹き渡る風の音。
伸びた手が岩をつかむ。
表情アップ。
見開かれた目に汗がにじむ。
まだ幼さが表情に残る。
シルエット、崖を登る。



荒い息づかいと、細かい岩が崩れる音、風にはためく外套。
眼下をのぞきこむ少年、先を急ぐ。



崖の上、竜骨を素材につくった粗末な庵がある。
崖っぷちに座るシルエット。
焚かれているのは香の木か。
風に乗った香の薫りが時折鼻をかずめる。
「和尚!ダイクです!おはようございます!」



ようやく崖をのぼりきった少年、肩で息をしている。
荒い息を押さえながら、
「今日の香は、いつものケレナトスではありませんね?
空気がいつもとちがいます。」
微動だにせず答える、座したシルエット。
「おはよう、ダイク。トレハリナの香木じゃよ。
まだ教えていなかったな。時の交わりで焚く香じゃ。
どうやら、大きな「時」が動きはじめているようじゃの」
「トキ、ですか?」
ダイクが崖下を遠くに見下ろすと、港の町に延びる一本の小道。
巻き上がった砂ぼこりが、
点のように見える三騎の竜騎兵をゆっくり追いかけていく。


◆ギャラリーサイト
http://www.termnet.co.jp/furuyama/
◆創作雑記ブログ
http://trumpet-tugboat.seesaa.net/

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Board-4
■場所/赤の崖
■花謳う月、満月まで二日・朝

Board-3
■場所/まちはずれ・旅籠前
■花謳う月、満月まで二日・朝

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