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あきら「茶柱句会 第三部 第41回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第41回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」
(着信順 投句のまま)
2013年2月8日〜2月22日締切り
1ツイ−ト3句以内×2ツイ−ト以内
兼題   節分 立春 バレンタインデ−
自由題 当季(冬 春)



速玉の吉兆の色節分会

「おにあ─そぼ」二歳の子の詩節分会

立春や吉報の来る日に印

わが十代バレンタインデ−など知らず

寒晴を背(せな)に素麺らしくさる

亀鳴くや太郎の塔はでんと立つ
(以上六句  大阪市 あきら)


春立つや御所の玉砂利靴鳴らす

お多福のまゝ寝入る子や節分会

黒豆もどつと張りこむ節分会
(以上三句  加古郡 はつを)


冴返る筮竹の卦の立つ間際

連翹(レンギョウ)の花咲き乱る店の先

猫の恋語らう人の声に似て
(以上三句  横浜市 兎巣)


手の中の夢は無限か春の朝
(以上一句  鈴鹿市 天白)


字句補足説明
順番に
立春(2月4日) バレンタインデ−(2月14日) が新春の季語 
節分会(2月3日) 寒晴 が晩冬の季語 亀鳴くは春の季語
吉兆は 熊野速玉大社で配る節分飾りの縁起物
柳の枝に米粉で作った紅 青 黄いずれも淡い三色の球を飾る
「おにあ─そぼ」は数年前 詩人の長田弘さん選の二歳児の詩を書き留めた
なんとも可愛い節分会
立春 二十四節季のひとつ なにかいいことありそうな
カレンダ−に印が入れてある
僕のバレンタインデ−初体験(1960年代)は半世紀も前のこと
その日 同級生の女の子からチョコレ−トを貰った
なんの意味かも知らず 無邪気に戴いた この時期 ホロ苦く思い出す
素麺は寒い時期に乾燥される 関西では大和の三輪そうめんをはじめ
それに学んだ淡路島の手延素麺 播州には揖保乃糸など産地が多い
1970年大阪万博跡地に太郎の塔(太陽の塔)がで─んと立っている
太陽の塔はお祭り広場に創られた象徴的な塔
岡本太郎(1911〜1996)の作 いまもご本人がそこに立つごとく
理屈でできた物の多くは消えた が
理屈を超えた縄文的な精神は残された
実際には亀は鳴かないが 鳴かせてしまうところが俳句的
長閑さもあって春の季語
子規に連なる村上鬼城(1865〜1938)に
<亀鳴くと嘘をつきなる俳人よ>がある

はつをさんの句
順番に春立つは立春のことで春の季語
節分会(せつぶんえ)は晩冬 冬の季語
三句目 <黒豆もどつと張りこむ>ははつをさんならではの句
黒豆は買えば高価 はつをさんは畑で作られるので丹精というべきか

兎巣さんの句
順番に冴返る 連翹の花 猫の恋が春の季語
兎巣さんなりの個性的な表現

天白さんの句
春の朝が春の季語


<同人欄>

「フェスティバルタワ−」あきら(代表同人)vol.29

春隣シャトルエレベ−タ−跳ねゐたり

春霞川面輝き湾に入る

フェスティバルタワ−舐めて凩高架道(ハイウエイ)

悴みし十八年前の硝子片

春の雪舞ふ空中にエレベ−タ

字句補足説明
表題の「フェスティバルタワ−」は
大阪 肥後橋のフェスティバルホ−ルの跡地に2012年暮れに建てられた
日本最大にして世界的にも巨大な設計事務所 日建設計の設計
非常に斬新なデザインの建築(地下2階 地上37階)
13階にスカイロビ−(及び屋上庭園)と称する基点がある
件のシャトルエレベ−タ−は1階と13階を直通で行き来する
13階に朝日新聞社の大阪本社玄関
ガラス張りのシ−スル−なのでエレベ−が頻繁に行き来するのが
外部から見える それがポンポンとして小気味よい
13階からは大阪の川が大阪湾に入り込む様子がよく見える
この界隈 川の上を高架で通る阪神高速道路がビルすれすれを行く
18年前は1995年1月17日 阪神大震災
その時割れた古いビルのガラスの欠片をいまも持っている
順番に春隣 凩(こがらし) 悴み(かじかみ)と冬の季語
春霞 春の雪は春の季語


「八重」はつを(同人)vol.27

同志社構内の新島旧居並びに御所を訪ねて
春めくや八重のかはゆい鏡掛

初音聞く襄と八重との英会話

梅一輪八重は会津女凛と咲く

蛤御門くぐらば余寒矢弾跡

大文字山のまだ醒めやらず春の雪

字句補足説明
順番に春めく 初音 余寒と初春の季語  梅 春の雪は春の季語
初音は若干説明を要す 時鳥(ほととぎす)なら夏 雁なら秋の季語となる
ここでは鶯の初音で春の季語の傍題に入れられる
襄は宣教師 新島襄(1843〜1890)同志社大の前身 同志社英学校を創立
今年のNHK大河ドラマ
「八重の桜」の新島八重(1845〜1932)の二度目の夫
新時代に夢を馳せ 二人で英語を学ぶ姿が初々しい 初音がよく利いている
余寒は寒が明けてもなお残る寒さのこと <冴返る>と同じ意味
立秋過ぎの暑さを<残暑>というのに対応
御所の蛤御門は 元治元年 禁門の変(1864年)の現場 
今なお矢弾の跡が残る
一連の句は 冬から春に移るデリケ−トな季感を
確かに表現されている
これらの季語の説明の多くを「季語と歳時記の会」に教わった


「春節」兎巣(同人)vol.8

春節を告げる爆竹響きけり

紅灯に酔う春節の人の波

春節や線香煙る関帝廟

春節の軒端の主役調理器具

春節や津波のような人の群れ

字句補足説明
表題の春節は陰暦の正月(今年2月10日)のこと 旧正月ともいう 春の季語
中国文化圏では いまもこちらが本当の正月として盛大に祝う
兎巣さんの横浜には日本最大の中華街(恐らく世界最大?)がある
爆竹は欠かせない 春節の開幕を告げる 
金筋の入った紅灯は欠くことのできない飾りつけ
関帝廟 後漢 三国時代の実在の武将を祀る立派な廟 横浜中華街のシンボル
軒端に調理器具を吊り下げるのは知らなかった(兎巣さんの観察)
一連の句から春節の熱気が伝わってくる

*
申し訳ありませんが
第1回立柱賞受賞記念俳論 <はつを(同人)>は
編集の都合で休載します
*


<講評>
参加者は4名(271名) 投句数13句(608句) ( )内は累計
同人のはつをさんの第1回立柱賞受賞記念寄稿の連載中(全5回+補遺)
<要約メモ>は奥の細道のエッセンスであり はつをさんの軌跡
これを辿れば 奥の細道の文学探訪にもなる
兎巣さんの同人欄「春節」 横浜の人ならではの句が揃った
兎巣さん この感覚を一層研ぎ澄まして継続して下さい
天白さんは一句だけの参加だが 珠玉の一句
<手の中>は生まれたばかりのご子息の手
赤ん坊はみな にぎにぎの手 そのにぎにぎの手の中に無限の夢がある
母親の慈愛の眼差し 柔らかな春の朝の光── 普遍的な聖母子像の句
幸せのお裾分けにあずかったような気分
蛇足ながら<珠玉>とは 
国語辞典風にいえば 海産の真珠と山で採れる石の意
粒は小さくとも 尊ぶべき価値のある作品
天白さん この調子で継続していって下さい

─俳句なう─
第42回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
2月8日〜2月22日締切り  3月8日掲載予定
一人六句まで(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−トまで)
兼題 <雛祭><啓蟄> 
あるいは自由題(当季 春)


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