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あきら「茶柱句会 第三部 第40回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第40回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」
(着信順 投句のまま)
2013年1月1日〜1月22日締切り
1ツイ−ト3句以内×2ツイ−ト以内
兼題なし 自由題 当季(冬 暮れ 新年(初春))




鉢巻や珠算(そろばん)塾の弾き初

特設のかるた始めや能舞台

福袋長蛇の列の人となり

七草に線量計を当てにけり

陸奥に日本の縮図枯木山

雪催増築中の裁判所
(以上六句  大阪市 あきら)


二本目の眉描き難し猫柳

てにおはの直したる絵馬節分会

梅が枝尖りて天と交わらず

息こらし子は薄氷を踏み抜けり

まどろめば夜毎の涅槃ぼたん雪

ひとかどの裸虫なり雪の朝
(以上六句  横浜市 兎巣)


寒酒や甥と弟の水滸伝

松島の潮の香りや今年海苔

身丈の句詠めば大吉春隣
(以上三句  加古郡 はつを)


初ゆず湯赤き体としかめっ面

霜下る乳房を掴む爪伸ぶる

DNAに刻むわが癖寝正月
(以上三句  鈴鹿市 天白)


字句補足説明
順番に
弾き初(はじきぞめ) かるた始め 福袋 七草が新年の季語
枯木山 雪催(ゆきもよひ)が冬の季語
天満宮の氏子の珠算塾が毎年行う弾き初は大阪 天満宮での景
かるた始めは京都 八坂神社での景
和歌の祖とされる祭神 
スサノヲノミコトに因む新年の行事 新年の福袋売り場はいずこも長蛇の列
七草に線量計を当てるのは切ないが止むを得ない昨今
東日本大震災から2年近く経とうとするが 復興は遅々としたまま
ヴィジョンと行動なき未来に夢はない あたかも日本の縮図のようだ
雪催(ゆきもよひ)はいまにも雪が降り出しそうな様子
不景気な大阪でも(だからこそか)増築中の裁判所
兎巣さんの句
順番に猫柳 梅が枝 薄氷(うすらい)と初春の季語
節分会(せつぶんえ)は晩冬 ぼたん雪 雪は冬の季語
六句目 裸虫は 羽や毛のない虫のことだが
このように用いる場合は 着るものがない貧しい人間の意味
いくら衣服を持っていても 雪の朝の寒さには裸に等しいと自嘲
はつをさんの句
順番に寒の酒 海苔 春隣(はるとなり)が冬の季語
水滸伝で一句になった なければたんなる酒飲みの句
前書に東日本大震災で被災された東松島のご夫婦との交流
はつをさん丹精を野菜を送ったり 今年採れたばかりの海苔を
送られたりという交流が述べてある 今年海苔がいい
このご夫婦とはつをさんは月山の山小屋で出会った
古希を超えたはつをさんらしく 恬淡としたところが春隣の季語と呼応
天白さんの句
ついに母になられた 初々しい生命誕生の句 おめでとうございます
初ゆず湯 寝正月が新年の季語 霜は冬の季語
どの句も母になれた喜びに満ちている


<同人欄>

「寒中」あきら(代表同人)vol.28

析の響き芝居の如く寒の入り

どやどやと寒九に湯気の群舞かな

小寒や次元を隔つセロファン紙

戎橋渡り福笹右へ逸る

ゆつくりとキャメルのコ−ト西天満

大雪に負けぬ晴着の二十歳(はたち)かな

息白し十八年も前の地震(なゐ)

白菜を枕に大根吉祥天

字句補足説明
順番に
表題の小寒(せうかん)二十四節季の一つ 今年は1月4日 寒の入り
立春(2月4日)の前日 節分(2月3日)までが「寒の中」つまり表題の寒中 
一年中で最も寒い時期 中でも大寒(1月20日)が最も寒い
順番に寒の入り 寒九(かんく) 
小寒 福笹 コート 大雪 息白しが冬の季語
析(き)歌舞伎や大相撲で打たれる金属音の拍子木
どやどやは大阪四天王寺の修正会の結願を祝う裸祭り
寒九は寒に入ってから九日目のこと(1月14日)
今宮戎で福笹を神授 南から戎橋を渡り 右へ逸れると宗右衛門町
大阪でも有数の花街 商売繁盛の十日戎の光景
キャメルは駱駝のこと 黒と灰色コ−ト多い時期に かなり目立つ
僕が暮らす西天満は裁判所の城下町のような所 弁護士事務所が軒を並べる
かつて 羽振りがよかった知り合いの弁護士のいでたち
以前は1月15日が成人の日 いまは1月の第2月曜日(連休にする配慮?)
今年は全国的に大雪だった
阪神大震災(1995年1月17日)から18年も経ったという感慨
年末に同人のはつをさん丹精の冬野菜を戴いた
吉祥天は薬師寺の吉祥天女のこと
棟方志功の版画を思わせる 見事な大根に即吟
はつをさんの投句欄の酒の一部をお礼に送った
数え日にした俳句の交流


「どんど祭」はつを(同人)vol.26

大絵馬の蛇脱皮するどんどかな

左儀長や巫女の緋袴緋の鼻緒

どんど火に腹の底まで温まれ

橙の二三個転げどんどかな

日矢射して降神の儀やどんど祭

字句補足説明
順番にどんど祭 左義長(さぎちやう) どんどと新年の季語
左義長は正月15日に 三本の青竹を立てて正月飾りを燃した宮中行事
三本の青竹すなはち三毬打(さぎつちゃう)の変化といわれる
どんどはその左義長の民間行事
はつをさんは古くから氏神様の隣にお住まいで詳しい
日矢(ひや)は雲間から射す陽光の束

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第1回立柱賞受賞記念俳論
第1回受賞者 同人のはつをさんから寄稿がありましたので 
今回から5回にわたり連載します
原文は12,000字の分量ですが 
編集の都合で そのエッセンスを5回にわけて連載
原題も「芭蕉は何故漂白の人生を送ったのか」でしたが 
ご了解を得て「月山へ─芭蕉追慕の旅─」とさせていただきました
俳句を自得する方法は人様々 
これは はつを流体当たり的(ドン・キホ−テ的)学習
3年がかりの根気と実行の結晶 ご期待下さい(あきら)

連載「月山へ─芭蕉追慕の旅─」vol.1
「奥の細道の名句が詠まれた地に立った時、
自分にどんな俳句が詠めるだろうか」と
思って旅に出ました。
その契機は平成18年頃安斎俊二著「芭蕉句碑スケッチ廻り・奥の細道編」。
中でも月山登攀で詠まれた<雲の峰幾つ崩れて月の山>に感銘を受けました。
芭蕉は「奥の細道」全道程六百里を春から秋にかけて半年間で巡っているが、
私は全行程を5分割し、それを3年掛けて、季節を芭蕉に合わせて巡りました。
実際の私の旅は平成20年の5月から始まり、
出羽三山へは67歳の平成20年7月頃入りました。
相前後しますが、まづ私が参考にした文献を挙げておきます。
長谷川櫂著「奥の細道を読む」(筑摩書房)
楠元六男・深沢真二共著「おくのほそ道大全」(佼成出版社)
立松和平著「奥の細道内なる旅」(幻冬舎)
王福振著「心が鎮まる荘子の言葉」(日本能率協会)
陶山巌著「芭蕉俳諧集」(集英社)
尾形仂著「芭蕉ハンドブック」(三省堂)
日本文学研究資料刊行会著「芭蕉TU」(有精堂)以上
<続く>
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<講評>
参加者は4名(267名) 投句数18句(595句)( )内は累計
同人のはつをさんの第1回立柱賞受賞記念寄稿の連載(全5回)が始まりました
頭だけでなく全身で俳句を自得しようというはつをさんの実践 ご期待下さい
天白さんがとうとう母になられた 新年早々の重ねてのお目出度
  おめでとうございます その生命誕生の初々しい句 天晴れ 天晴れ 
細部には工夫の余地もあるが 俳句が本来的に目指すところの原初の瑞々しさ
その感動に満ちている 頭でなく全身で体得されたことが伝わってくる
このような句を掲載できる茶柱句会と今年の天白さんに期待したい
兎巣さんの昨年来からの継続が嬉しい
今年の課題は説明からの脱却
その解決は 徹底的に対象の本質を表現した上で読み手に委ねる
つまり 詠み手としての最善を尽くした上で読み手を信頼することにつきる
稲穂さんは依然として音信不通 ご連絡をお待ちしています

─俳句なう─
第41回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
2月8日〜2月22日締切り  3月8日掲載予定
一人六句まで(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−トまで)
兼題<節分><立春><聖バレンタインデ−>
あるいは自由題(当季 冬 春)2月4日は立春 暦(歳時記)上は春
一足早い春を詠んで(呼んで)みませんか


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