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あきら「茶柱句会 第三部 第38回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第38回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」
(着信順 投句のまま)
一人六句まで(1ツイ−ト3句×2ツイ−ト以内)
11月8日〜11月22日締切り
兼題 七五三
自由題(当季 初冬)




七五三五七五に詠む爺と婆

七五三姉三六角蛸錦

赤煉瓦溶出す並木冬紅葉

立冬の白化寸前水路閣

広縁や小春日和の緋毛氈

茶の花や奥のコテ−ジ初期化さる
(以上六句  大阪市 あきら)


逍遥の加古の郡(こほり)や初時雨

初時雨三日月かかる淡海かな

名城の松にこも巻初時雨

千歳飴ふりし男の子や翔る夢

幾たびも振袖かざす七五三
(以上五句  加古郡 はつを)(代ツ)


秋茜細き睫毛の黒さかな
(以上一句  鈴鹿市 天白)


字句補足説明
順番に 七五三 冬紅葉 立冬 小春日和 茶の花 が初冬の季語
今年は11月7日が立冬 大雪(12月7日)までが初冬とされる
七五三(陰暦11月15日)は平安時代の宮中儀礼を原型とする行事
男女とも3歳で剃っていた髪を伸ばし始める「髪置き」
5歳の男子が袴をつける「袴着(はかまぎ)」
現皇室では「着袴(ちゃっこ)」の儀が現在も続けられる
7歳の女子が帯締めの着物を着る「帯解き」
庶民の間では7歳で神社の氏子になる風習などが融合して今日に至る
五七五は俳句や川柳の定型 ここでは語呂合わせの遊び
姉三六角蛸錦 京の東西の通り名唄 錦通には有名な錦市場がある
北(丸太町通)から南(東寺通)まで到る中程の一部
水路閣(1888年(明治21年完成)は
琵琶湖疏水(1890年(明治23年)完成)が南禅寺境内を通過する部分
アーチ状の橋脚(幅4m高さ14m)煉瓦及び石造
当代一の土木学者 田辺朔郎(1861〜1944)の設計監督による
公共工事が経済波及効果があった時代の輝かしい近代産業遺構
白化は石灰質が漏れて表面に白く付着する現象

はつをさんの句
初時雨 千歳飴 七五三が初冬の季語
初時雨は 冬になって初めて降る時雨のこと
今年もいよいよ冬が近づいてきたなあという感慨がこもった季語
七五三の二句 お孫さんだろうか 男の子と女の子のそれぞれ対照的な喜び
前々回の<方丈の弾かぬ琵琶きく秋初め>の河合社の補足説明の補足
10月に<方丈記>800年記念事業の一環として
はつをさんの詠まれた旧来の方丈とは別に
建築家の隈研吾さんの設計によって 新解釈による方丈
題して<透明な方丈庵>が加わっている
組み立て解体自在の仮設的な構造
杉の部材の接合部は磁石(マグネット)で固定
透明で厚手のビニ−ルシ−トで囲っただけのシンプルなもの
<これぞ俳句の極意>と大にに勉強になった

天白さんの句
秋茜は赤蜻蛉の傍題で晩秋の季語
地域によっては11月頃にも見られる
今回は初冬の兼題であったが地域差を考慮して掲載
この句 うっかり読むと騙されそうになる
蜻蛉の顔(頭?)は全体が複眼で目 仮面ライダ−のような顔
睫毛(まつげ)なんかあっただろうか? ないはず──
天白さんの詩心とつぶさに(具に)観察する探究心に負けて
あったことにする これも俳句観賞の一方法 


<同人欄>

「石蕗の花」あきら(代表同人)vol.26

立冬のサ−タ−アンダギ−大正区

立冬やアクリル樹脂のキュ−ビック

意図的な退行窮む冬紅葉

豊臣の恩顧の石碑石蕗の花

石蕗の花言ひ訳にせぬ齢(よはひ)など

樽眠る外は竹林時雨なう

字句補足説明
順番に
立冬 冬紅葉 石蕗の花 時雨が初冬の季語
サータ−アンダギ−は甘く穴のないド−ナツのような沖縄のお菓子
大阪の大正区は嘗て沖縄からの出稼ぎの人が大勢住んで
今もその名残があり 琉球料理の店が多い
広縁は座敷の内障子と外側の硝子戸との間にある
内廊下のような板張りの縁側 
邸宅ではよく日毛氈(ひもうせん) が敷かれている 
日向ぼっこにもってこいの空間
日本のウイスキ−作りは
1924年(大正13年)サントリ−山崎蒸留所(大阪府島本町)で始まった 
京都の西山に連なる大山崎と呼ばれる一帯
竹林が多い 時雨は京都も北山一帯の北山時雨がよく知られるが
西山も時雨の多い所


「花ひいらぎ」はつを(同人)vol.24

ひいらぎの雪とみまがふ花ざかり

ひいらぎの花のかほりに迎へられ

花ひいらぎ香るわが家の明りかな

ご帰還は花ひいらぎの香を連れて

字句補足説明
歳時記では柊の花が初冬の季語
花ひいらぎはその別な表現で同じ意
一連の句を読めばひいらぎの姿・香りが浮かんでくる



<講評>
茶柱句会主宰あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
参加者は3名(263名)参加句数18句(578句)( )内は累計
古希を超えられた同人のはつをさんは皆勤賞 お手本とすべし
同人の稲穂さんは連絡が途絶え心配です
連続参加継続中の同人の兎巣さんが欠席
同人の天白さんは出産間近 来年は母となられた句を期待
創作の極意は<まず自分が面白がること>と画家の安野光雄(86)さん
今年の文化功労賞受賞の弁
落語家故桂枝雀さん<自分の落語の一番のファン>
<能や歌舞伎は「型」が大事 型を血肉のものとして
それを超えたところに芸がある>演劇評論家 渡辺保さん
いずれも飽くなき鍛錬の果てに到達する至言──
来年も弛まず歩み続けてゆきましょう
すこし 早いですが「よいお年を──」

─俳句なう─
「第39回茶柱ツイッタ−句会(初句会)」のお知らせ
12月8日〜12月22日締切り 1月1日掲載予定
一人六句以内(1ツイ−ト3句×2ツイ−トまで)とします
兼題は去年今年(こぞことし) 初詣(はつまうで)
あるいは自由題(当季 冬 年の暮 新年)
年の暮から新年にかけての季語の確認は
インタ−ネット上の歳時記「季語と歳時記の会」を検索されると
最も勉強になります
一年の総決算と新年を迎える希望 悦びなどを表現するチャンス


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