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あきら「茶柱句会 第三部 第32回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第32回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

平成24年5月8日〜5月22日締切り
一人六句まで(1ツイ−ト3句×2ツイ−ト以内)
兼題 葉桜 初鰹
あるいは自由題(当季 夏)


葉桜を辿れば近し毛馬の句碑

初鰹まつこと土佐のハンバ−ガ

新茶の香駅まで続くア−ケ−ド

鯵一尾煮ても焼いても叩いても

店頭にギヤマンひとつ骨董屋

無作法なカメラに疲る薔薇の貌

採火式希臘の巫女の白き服
(以上六句  大阪市 あきら)


初鰹遠慮しひしひまたひとつ

立食の緑に笑顔初鰹

初鰹土佐の市場の賑はひて

葉桜に呼吸も元のベンチかな

葉桜の似合ふ女性となりにけり

葉桜に妻と語らふベンチかな
(以上六句  西条市 真鍋稲穂)


未だ知らぬ痛みも薔薇の術の内

路を行く蝶には蝶の理屈あり

福耳の重さ量りて花菖蒲

風わたる夏鶯の続けさま

野菜苗つるの行方の定まらず
(以上五句  横浜市 兎巣)


嵯峨野路に龍馬の像や初鰹

高知なら皿鉢料理よ初鰹

黒潮に乗れよ太れよ初鰹

どてら質に置けよ流せよ初鰹

縞もやう纏ふいなせや初鰹

町火消し四十七組初鰹
(以上六句  加古群 はつを)


晴れときどき不安になりし青葉風
(以上一句  鈴鹿市 天白)

字句補足説明
順番に
葉桜 初鰹 新茶 鯵(あぢ) ギヤマン 
白き服(白服) 薔薇  夏鶯 野菜苗 
青葉風が夏の季語 ギヤマン(giamant)江戸時代
オランダ語でダイアモンド(金剛石)のこと
ガラスの切削にダイアモンドを使ったために
細工したものを呼ぶようになった(広辞苑)
切子 カットグラスなどと共に涼しさを呼ぶところから夏の季語
採火式(さいかしき)オリンピック発祥の地
希臘(ギリシャ)のオリンポスで太陽光から
聖火を採りト−チに移す儀式 5月10日 ロンドンへ向かった
兎巣さんの句 蝶(てふ)はそのままだと春の季語
夏にするには 夏の蝶とする必要がある
夏鶯でも構わないが老鶯(らうあう)
おいうぐいすというれっきとした季語がある
他に晩鶯 残鶯という表現も
はつをさんの句 どてらは原句は漢字表記
字が見つからなくて ひらがな表記に 悪しからず
冬に着る綿入れ 普通の着物より丈が長く太いもの
初鰹の時期にはもういらないので しばらく質に入れてでも
初鰹を賞味しようという魂胆


<同人欄>

「大連休」あきら(代表同人)vol.20

生気無きメ−デ−浮腫む労働者

陸奥に恥づかし憲法記念日

太鼓橋すみよつさんのみどりの日

母親のペットにさるなこどもの日

母の日の法事の独り一心寺

字句補足説明
順番に
メ−デ−(5月1日)
憲法記念日(5月3日)
みどりの日(5月4日)
こどもの日(5月5日)
母の日(5月第二日曜日 5月13日)
いずれも夏の季語
浮腫む(むくむ)


「青嵐」稲穂(同人)vol.16

心臓の痛む時あり鯉幟

上着脱ぎ若さ見せつけ風光る

ボ−ル蹴る子らちりぢりに

青嵐テニスゲ−ムも一区切り

青嵐ボ−ルも砂も運びけり

風光る山は近くに海遠く

字句補足説明
順番に
鯉幟 青嵐(あをあらし)が夏の季語
青嵐 青葉の茂る頃に吹くやや強い風 せいらんともいう
風光るはどちらかというと春の季語
当季となると風薫る(薫風)のほうが適切


「夕顔」はつを(同人)vol.18

夕顔や百五の媼逝きし朝

夕顔の嘆いて誰待つ今宵かな

夕顔を一年摘みし源氏かな

夕顔の花つるませよ祖母の声

夕顔や瓢寝かせる藁敷いて

字句補足説明
源氏物語に夕顔の巻がある
美しく儚い印象
夕顔(ゆふがほ)が夏の季語
夕暮れ時に花を開く(朝にはしぼむ)
たんに夕顔といえば花をさす
夕顔の実は糸瓜のように細長く干瓢などに利用する


<講評>
茶柱句会主宰 あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
参加者5名(241名) 参加句数18句(466句)( )内の数字は累計
今回も同人五名の参加
稲穂さんは前回よりさらに快復基調を感じさせる
はつをさんは初鰹を堪能された 同人欄では夕顔を 自在の俳句
兎巣さんの一句目 兎巣さんらしい一句 復調の兆しあり
蝶の句 これでは読む人に喧嘩を売っているようだ
天白さんの一句(歩)が光る宝物
いついかなる状況にあっても たとえ一句でも参加するという強い意志

そこで今回は稽古の話
稽古とは 一より習い 十を知り 十よりかへる もとのその一
千利休<利休百首>こういうのを道歌という

次いで鍛錬について 千日の稽古を鍛とし 万日の稽古を錬とす
宮本武蔵<五輪書>

僕ごときが語るのもおこがましいので
天正年間に生きた先達を招聘して教えを請うた
千利休(1522〜1591)
宮本武蔵(1584〜1645)

茶道と武道についての箴言であるが
俳句の道にもあい通じる真理であることを
自得されたい
兎巣さんはいったん途切れてからの復活参加
稲穂さんは心臓の病で療養されながらの参加
はつをさんは古希を越えられ 自在の境地に
天白さんは悪阻と闘いながら
それぞれ道を貫いておられる
<俳句とは 弛まざる息 その気道>あきら


「第33回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
6月8日〜6月22日締切り 7月8日掲載予定
兼題は 紫陽花(あぢさゐ) 鮎 
あるいは自由題(当季 夏)
一人六句まで(1ツイ−ト3句×2ツイ−ト以内)



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