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あきら「茶柱句会 第三部 第31回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第31回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
一人六句以内(1ツイ−ト3句以内 ×2ツイ−トまで)
3月8日〜3月22日締切り
兼題 <桜>
あるいは自由題(当季 春)


初桜大劇場へ花の道

コンビニのおにぎり二つ花の宴

昂然と女の背中花吹雪

骨董の硝子のコップ桜蘂

桜鯛主余さず猫なかせ

遠足子君らは檻の内や外
(以上六句 大阪市 あきら)


青山に眠れる母の花見哉

子の問ひし川面の花の行方かな

短世をいよよせわしき花便り

うば桜言葉に親しき厚みあり

娘らは団子斜めに花見かな

言い負かす女黙して花嵐
(以上六句 横浜市 兎巣)


花冷えの二河白道めぐりけり

てんのじさんこれはこれはのさくらかな

花万朶浄土目指せと釈迦の声

開け放つ湯屋方丈や花の雲

相生の海は花芽のさくらかな

桜咲く夫婦して撒く牛のふん
(以上六句 加古郡 はつを)(代ツ)


夜桜やぐびと見上げて星ひとつ

路線バス遅日の道を客乗せし

杖の父ぴつたり添ふて花の下

噛む数の変はらぬ刀自の花見かな

花筵小さき中にも四世代

鶯や一鳴きすれば七つ八つ
(以上六句 西条市 真鍋稲穂)


寒戻り一進一退の悪阻かな

春浅し胎児の手足輝けり

春の山手足を空に伸ばしけり

わが命桜の命同じかな

桜咲く鼓動に耳を澄しけり
(以上五句 天白)

字句補足説明
順番に
初桜 花の宴 花吹雪 桜蘂(さくらしべ)桜鯛 遠足子
花見 花 うば桜 花嵐 花冷え さくら
花万朶(はなまんだ)花の雲 桜咲く 夜桜 桜 
花の下 花筵(はなむしろ)鶯 寒戻りが春の季語
はつをさんの句 二河白道(にがびやくだう)は浄土真宗の教義
二河とは水河(欲 こだわり)と火河(怒り 憎しみ)を表す
白道は浄土往生を願う清浄の信心を表す(広辞苑)
浄土教の極楽往生の比喩 二河喩(にがゆ)ともいう
入信から往生までの道筋をかけ軸を用いて絵解きされた 
稲穂さんの四句目 刀自(とじ)
家事を司る年配の女性に尊称を添えた呼称
天白さんの一句目 悪阻(つはり)


<同人欄>

「桜鯛」あきら(代表同人)vol.198

狂言師しばし花撒く仕草して

液晶に桜前線人攫ひ

端末に心囚る花の宴

木の芽時ネットワ−クの点と線

桜鯛目の下尺の六百匁

字句補足説明
順番に
花 桜前線 花の宴 木の芽時 桜鯛と春の季語
人攫ひ(ひとさらい)=拉致 
  匁(もんめ め)尺貫法で貫の千分の一(3.75kg)
六百匁で約2kg
目の下尺は30cm このサイズが最も旨いとされる


「雪柳」兎巣(同人)vol.4

音無くてこぼれる滝ぞ雪柳

葉と共にふくらんでおり山桜

花こぼる節約だけは知りませぬ

字句補足説明
順番に
雪柳 山桜 花 と春の季語
一句目 青山(せいざん)と読む


「梅」はつを(同人)vol.17

梅の宮炭火埋めし茶店かな

白梅や神のやどりし一と雫

八重梅や米寿までもと言ひかはし

梅が香や口開かんと吽の狛

影向の松酔い痴れる梅の宮

字句補足説明
順番に

前書に3月25日 北野天神吟行とある 順番に梅が香 
白梅 八重梅 梅の宮と春の季語
米寿は 八十八と書いて米となる 八十八歳の尊称
現在 古希を越されたはつをさんは
米寿に向かう約束を八重梅とされた


「鶯」稲穂(同人)vol.15

花疲れひとつ増やせし置き薬

鶯の声に満ち足り朝餉時

菓子食べる口にも満ちる長閑かな

路線バス日永の道に客降ろす

麗かや終業ベルを背で聞く

鶯や休みの朝の音色佳き

鶯の歩けば待ちて鳴きにけり

鶯や親子を包む散歩道

菜の花や少し途切れてまた途切れ

字句補足説明
順番に

花疲れ 鶯 長閑(のどか)
麗か 菜の花と春の季語


<講評>
茶柱句会主宰 あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
今回の参加は5名(236名)
参加句数は29句(446句)( )内の数字は累計
<言い負かす女黙して花嵐>で兎巣さんらしさ復活
稲穂さん 順調に快復基調なのが句から拝察される
この時期 いつも鶯の声が身近にある 環境がうらやましい
<噛む数は変はらぬ刀自の花見かな>老夫婦ならではの観察
ひいてはそこに伺える夫婦愛
最高齢のはつをさんの気力充実
<花冷えの二河葉白道をめぐりけり>の信仰心
<桜咲く夫婦して撒く牛のふん>のリアリティのある俳諧味
老夫婦ならではの夫婦愛
期せずして高齢の夫婦愛の句が詠まれたのが 兼題の桜効果だろうか 
天白さんは偉い
激しい悪阻と格闘ながらも 新しい生命を確信しつつ
それだけならば やがて母となる普通の女性なのだが
弛まず俳句にする女性俳人<桜咲く鼓動に耳を澄しけり>は立派な一句
ここ一番継続されれば やがて生まれくるお子さんへの
かけがえのない贈り物になることだろう


「第32回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
5月8日〜5月22日締切り 6月8日掲載予定
一人6句以内(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−トまで)
兼題 初鰹 葉桜
あるいは自由題(当季 夏)



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