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あきら「茶柱句会 第三部 第30回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第30回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
3月8日〜3月22日締切り
一人六句まで(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−トまで)
兼題  彼岸 弥生 麗か 朧 春の宵 雪解(ゆきどけ ゆきげ)
あるいは自由題(当季 春)

<訂正とお詫び>
前回(第29回)投句欄 鈴鹿市の天白さんの作品を
<お弁当温めますかと春の星>と間違って表記してしまいました 
正しい原句は<お弁当温めますか/春の星> (/印は切れを示す)
さらに 講評欄で間違えて表記した作品より原句のようにしたほうが面白い
というようなコメントを入れて二重のミスを犯してしまいました
誠に申し訳ありません
その原因は<お弁当/温(ぬく)めますか(と)春の星>と読んでしまい
三段切れの解消と中七の字足らずを解消するため反射的に(と)を入れたため
ここに謹んで天白さんにお詫びいたしますとともに 訂正させていただきます
あきら


和才魂鬼怒鳴門帰化弥生

白木蓮わきめもふらず一輪車

太秦の大立ち回り柳の芽

旬のものみなほろ苦し木の芽時

列島に桜前線活断層

バスのまゝ浮力つきたり花見舟
(以上六句  大阪市 あきら)


蜆汁小さき椀に蜃気楼

鼓笛隊屯す校庭春浅し

クレヨンの匂い懐かし一年生

商店街かろき造花の花見かな

花見ずに季節知りたり花粉症
(以上五句  横浜市 兎巣)


風吹いて帽子くるりん弥生かな

先生もうらゝかなれば丸多し

眼鏡を外せば夙に朧なる

雨上り遠く青空を雲雀過ぐ

梅の山老犬ゆつくり登りをり
(以上六句  西条市 真鍋稲穂)


相棒の相手の変わる春の宵

宇治川の雪解を勢ふ気配かな

彼岸絵や此岸は釈迦のおはす寺

みちのくに弥生めぐりて来りけり

琴の音の聞こふ坂とや水うらゝ

うらゝかや竹馬の友と丹後路へ
(以上六句  加古郡 はつを)


お握りの四角三角春近し

母となる実感薄し寒戻り
(以上二句  鈴鹿市 天白)

字句補足説明
順番に

弥生 白木蓮 柳の芽 木の芽時 桜前線 花見舟と春の季語
鬼怒鳴門(キ−ン・ドナルド)日本文学研究者で三月に日本に帰化された
米人ドナルドキ−ンさんの日本文字表記の雅号
桜前線 啓蟄 うらゝ 朧 雲雀 春 梅の山 と春の季語
夙(しゅく)は 朝はやく はやくから つとに という意味
蜆汁 (蜃気楼) 春浅し 一年生 花見 花 春の宵 雪解 彼岸会 
寒戻り(冴返るの傍題)と春の季語
(注)天白さんの一句目 下五<春近し>では冬の季語となり
当季(春)にはならない <春浅し>あるいは<春の朝>とでもすれば
お握りの四角三角の可愛さと呼応した春の一句になる


<同人欄>

「春場所」あきら(代表同人)vol.18

イカナゴや大阪湾の岸に待つ

木の芽時自得の途にある遅速

俳人はみな一家言菜種梅雨

三月の不確な宵ファクシミリ

媚びぬ舞月は朧に東山

春雨や面を剥ぎて片ゑくぼ

春場所や東西会に朋の顔

字句補足説明
順番に
イカナゴ 木の芽時 菜種梅雨 三月 朧 春雨 春場所と春の季語
祇園小唄の一節 井上流の京舞は体操のようで愛想がないところが佳い
東西会 大阪場所で東西の力士が控える溜りの背後に茶の甚平を着て座る
相撲愛好家の会 なおこの席での飲食はご法度


「百千鳥」真鍋稲穂(同人)vol.14

啓蟄や効きて涙のマッサ−ジ

句帳なる十年連記日記果つ

クロッカス楚々とした白映ゆる朝

梅の香に卒寿の犬も元気なり

吟行の山の隅々百千鳥

字句補足説明
順番に
啓蟄 クロッカス 梅の香 百千鳥(ももちどり)と春の季語
二句目 日記果つは古日記の傍題 暮の季語(当季は春なので注意を要す)


「宇治十帖」はつを(同人)vol.16

宇治十帖めぐる古跡や春隣

四温晴夢浮橋渡らばや

春風や鴟尾の鳳凰羽広げ

浮舟の隠れ住まひか蕗の花

丸窓に如来を拝す雨水かな

字句補足説明
順番に
宇治十帖 源氏物語五十四帖のうちの最後の十帖のこと
八の宮が山城国宇治住んでいたから書き始めた それぞれ
橋姫 椎本 総角(あげまき)早蕨 宿木 東屋 浮舟 蜻蛉 手習 
夢浮橋(ゆめのうきはし)の十帖(広辞苑)
順番に春隣 四温は冬の季語(冬の終わり頃)
春風 蕗の花(蕗の薹の傍題)雨水(二十四節季の一 立春の後で2月19日頃)
と春の季語 冬の終わりから春の初めの季節感を詠まれた


<講評>
茶柱句会主宰 あきら(茶柱ツイ ッタ−句会代表同人)
今回の参加は5名(231名)参加句数25句(417句)( )内の数字は累計
稲穂さんは俳句を生涯の友とされ いまも病床からの参加 
同人欄「百千鳥(もゝちどり)」にいつも俳句と共に呼吸する稲穂さんがある
天白さん<母となる実感薄し寒戻り>投句のように第一子を懐妊された
初めて宿した生命に対する期待と憂悶
つわり(漢字では悪阻と書く)広辞苑には芽ぐむこと きざすこととある
体調不良のため投句は二句のみだが 弛まず作り参加される姿勢がすばらしい
このような句表現は母となる女性俳人にしかできない
女流に甘んじることなく 人間(女性)として赤裸々に詠んでもらいたい
次回作に期待がふくらむ
古希を過ぎられて はつをさんの句がますます艶めいてきた
今回の同人欄の「宇治十帖」も味わい深い
兎巣さんは 一度途切れてからの再参加 これも敬服に値する
兎巣さんが十巣だった頃の瑞々しい俳句に戻られることを期待したい
頭で思うだけでなく 俳句に表現して参加することを喜びにできる人は幸せだ
最近は五人の同人句会のようになっているが 
参加の門戸はいつも開放されている
当句会は細々ながら無休で継続中──
<来る者は拒まず>


「第31回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
4月8日〜4月22日締切り  5月8日掲載予定
一人六句まで(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−トまで)
兼題は<桜>  あるいは自由題(当季 春)
古い桜に囚われず のびのびと表現されたい
桜にまつわるいろんな季語 関連語がある
まずは季語と歳時記の会(季語歳)HPを参照されたし
桜から再出発するもよし 桜から初投稿するもよし サクラでもよし 



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