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あきら「茶柱句会 第三部 第27回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第27回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
平成23年11月8日〜12月11日締切り
「新春詠」一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)


目覚レバイマコココノヨ大旦

パラボラ群宇宙の淑気捕捉せり

蓬莱に光一条初句会
(以上三句  大阪市 あきら)


従容と夢も抱きつ花の春

大らかな俳句を詠まん花の春

花の春万事愉快にやらんかな
(以上三句 加古郡 はつを)


去年今年棒の大小人それぞれ

紅白の御幣覆きたり鏡餅

まずまずの形となりぬ松飾り
(以上三句  横浜市 兎巣)

字句補足説明
大旦(おほあした)淑気(しゅくき)蓬莱(ほうらい)が新年の季語
花の春は初春の傍題 明の春 今朝の春 四方の春などとともに新年の季語
旧暦の年始めは二十四節季の「立春」のころにあったためで
「初春」と呼んで祝う
<季語と歳時記の会参照>
去年今年(こぞことし) 鏡餅 松飾り


<同人欄>

「御慶」 あきら(代表同人)vol.15


活写せん心の中に初鏡

誰彼に生命の歓喜御慶述ぶ

吉兆の茶柱立ちし福茶かな

コンテナの重みすなはち宝船

初明りまづは地表の突起より

字句補足説明
御慶(ぎょけい)初鏡(はつかがみ)福茶 宝船 初明りが新年の季語


「初日」 はつを(同人)vol.13

氏神の太鼓聞こゆる初日かな

お野菜と俳句つくりて玉の春

雑煮には紅い蕪の香の物

吟醸酒田の神に注ぎ鍬始

父母に灯明上げて初話

字句補足説明
初日 玉の春 雑煮 鍬始(くわはじめ)初話(はつばなし)が新年の季語


「新春詠」 兎巣(同人)vol.1

一年の塵掃き清め年迎え
おさな子が指のばしたるちよろぎかな

字句補足説明
年迎えが新年の季語
「ちよろぎ」シソ科の多年草 夏から秋に紫色の唇形の花をつける
漢字で表記すると「草石蚕」花を詠む場合は夏の季語
晩秋には地下茎に生じる巻貝状の塊茎は食用で 赤く染めて正月の料理に用いる
これを詠めば 新年の季語


「雑詠」

猩猩と名付けし紅葉角の家

ころころと笑う里芋夕仕度

菊愛でし父祖父曽祖父みな隠者

白菊のこぼれておりぬ破れ垣

水底の朽葉の布団眠る魚

山茶花が等間隔に垣根かな

寒冴えて句作めいたる晴れ間かな

頬ゆるむ枯かまきりの痛さかな

寸法の人に近しき朴落葉

字句補足説明
順番に
紅葉 里芋 菊 白菊が秋の季語
朽葉 山茶花(さざんくわ)寒冴え 枯かまきり(蟷螂)朴落葉が冬の季語
朽葉(くちば)雨や霜にさらされた落葉 古代色に朽葉色がある(季語歳)


<講評>
茶柱句会主宰あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
少し寂しい初句会
新同人の兎巣さんと古希の同人はつをさんと主宰が参加
期待の同人 天白さんは喪中につきやむなく欠席のご連絡
参加者は3名(216名)参加句数9句(353句)( )内は累計
ここから二年目のツイッタ−句会が始まる 弛まず継続したい
この一年間の活動を集大成した茶柱賞の発表をしています


─俳句なう─
「第28回茶柱ツイッタ−句会」<新春初句会>のお知らせ
1月1日〜1月22日締切り  2月8日掲載予定 一人三句以内(1ツイ−ト3句まで) 兼題は特に設けませんが 自由題(当季 新年 冬)でご参加下さい

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2011年度 茶柱賞発表
選者 あきら(茶柱句会主宰)
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立柱賞(茶柱大賞 最優秀作品賞☆印) 加古郡 はつを

奨励賞(優秀作品賞) 鈴鹿市 天白
           横浜市 十巣改メ兎巣

同人賞(同人優秀作品賞) 加古郡 はつを
            「大文字」「野宮」

茶柱選奨(優秀作品賞)以下句会順に掲載(作者名は投句時)
<第1回2010年10月8日〜第26回2011年11月8日掲載分>
○ステンレス柵に照り映ゆ冬かもめ(横浜市 十巣)第5回
○佐渡の金舟ごと盗む事始め(加古郡 はつを)第6回
○名水を汲みて百日水温む(西条市 田所良雄)第10回
○さびしさをぬぎすててゆくふきのたう(加古郡 はつを)第10回
○朝遅き女の如し水温む(横浜市 十巣)第10回
<2011年3月11日 東日本大震災>
◎J開幕指揮官春の渦に立つ(神奈川 みゆき)第11回
○列島の空白春の四国かな(西条市 田所良雄)第11回
◎あうならば五月にしよう受話器置く(横浜市 十巣)第13回
◎みちのくへ幾千万の柳如飛べ(加古郡 はつを)第13回
○筍をどかりと置いて帰りけり(加古郡 はつを)第14回
◎地震跡に大漁旗や風光る(加古郡 はつを)第14回
◎五月闇しづ子の句集閉ぢにけり(西条市 田所良雄)第15回
☆烏賊釣りや原発近き色の浜(加古郡 はつを)第15回
○皿の枇杷瑞々しくも皮と種(西条市 田所良雄)第17回
○六月や斎太郎節を唱はんか(加古郡 はつを)第17回
◎息殺す獅子の鬣麦の秋(鈴鹿市 天白)第17回
○田植機で余呉湖一枚小半日(加古郡 はつを)第18回
◎卵管に造影剤や朝曇(鈴鹿市 天白)第18回
○冷蔵庫のぞきのぞかれ二十年(神奈川 みゆき)第18回
◎夏下駄の二人降りゆく貴船駅(鈴鹿市 天白)第20回
◎炎日や漁師の着衣縄一本(鈴鹿市 天白)第21回
◎中堂の如来にまみゆ袖の露(加古郡 はつを)第23回
◎餞別の軽さがうれし虫の声(横浜市 十巣改メ兎巣)第23回
○露割れず吾も壊れずをりにけり(西条市 田所良雄改メ真鍋稲穂)第23回
◎山霧や法然得度のご霊場(加古郡 はつを)第24回
○満月を背に耕すこの大地(加古郡 はつを)第24回
◎深海に僅かな光夜這星(鈴鹿市 天白)第24回
◎行く秋の母の独白女かな(鈴鹿市 天白)第25回
◎秋耕の杭を打ちまた杭を打ち(鈴鹿市 天白)第25回
○萩咲くと聞けばもたげる旅ごころ(加古郡 はつを)第26回
<入選○ 特選◎> 
主宰あきら ツイッタ−投句自選三句
囀りや幾千万の端末機(第9回)
草の花白州正子にかくれ里(第2回)
石蕗の花中島みゆきならファイト(第5回)

<選評>
茶柱句会主宰 あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
なにもかもゼロから始まったツイッタ−句会
その間 2011年3月11日 東日本大震災が起こったが
茶柱横町の編集発行人谷口純平さんの奮闘のお陰で
茶柱ツイッタ−句会は継続できた
2011年度は句会数延べ26回
参加人数延べ217名
同人推挙5名(男性3名 女性2名)
そしてツイッタ−投句数延べ341句(同人欄は除く)を数えた
まず谷口純平さんに感謝申し上げたい
茶柱句会の素晴らしいところは
印刷された会報や冊子こそないが 一ヶ月に二回連載されるスピ−ド感
その活動がバックナンバ−で記録されていること(必要ならコピ−できる)
今回の選考もバックナンバ−機能に大いに助けられた
そこから30句を入選作(内1句は最優秀作品賞☆)とした
特筆すべきは茶柱大賞(立柱賞)に輝いた同人のはつをさんの作品
<烏賊釣りや原発近き色の浜>
3.11東日本大震災以降の極めて現代的な対象が
芭蕉的な俳句空間で詠まれた意義は大きい
このような句と共に参加者の作品が掲載されていることは誇りだ
奨励賞の天白さんは 本当によく勉強された
<卵管に造影剤や朝曇>の赤裸々な切実さ
<息殺す獅子の鬣麦の秋>の非凡さ
<夏下駄の二人降りゆく貴船駅>は等身大か
同じく奨励賞の兎巣さんは初期の頃からの参加 都会的なセンスの作品
俳句らしくない俳句の探求者
<ステンレス柵に照り映ゆ冬かもめ>
<あうならば五月にしよう受話器置く>のさりげなさ
<餞別の軽さがうれし虫の声>少なくても誠意を伝えてくれたことが嬉しい
二人とも既に同人となられた
残念なのは<J開幕指揮官春の渦に立つ>でデビュ−された神奈川のみゆきさん 説明から脱却できず継続できなかった 今年からの活躍に期待
継続の意欲のない人には 
殊に他の範たる同人ならばなおさら厳しく対処せねばならない 
こんなル−ルを作ることは本意ではないが
無断で4回以上欠詠した場合は同人格剥奪とします
同人の稲穂さんご連絡下さい

貧しい句会ゆえ 大した賞品はありませんが
受賞者には 当句会の頁に自選作掲載の栄誉として以下の機会を提供します
立柱賞 自選50句掲載
奨励賞 自選30句掲載
(ご都合のよい時期にお申し出下さい)

お祝いの言葉
芥川龍之介の「芭蕉雑記」に以下の一節がある
<「翁凡兆に告て曰く 一世のうち秀逸三五(さんご)あらん人は作者 
十句に及ぶ人は名人なり」一生を消磨した後 
十句しか得られぬと云うことになると俳諧も亦閑事業ではない 
しかも芭蕉の説によれば つまりは「生涯の道の草」である>
今回は第1回ということもあって 入選 特選の大盤振る舞い
次回(2012年度)からは選句の眼を厳しくして50句以上の入選を期待したい 
それが実現できたなら
<─俳句なう─茶柱ツイッタ−句会奮闘記>という冊子を発行しつつ 
朗読の音声を入力した電子書籍化しても良い
─俳句は最も短い現代詩─
<志を高くして弛まず>取り組んで参りましょう



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