茶柱横町 茶柱横町入口へ
 
 
プロフィールを見る
前を見る 次を見る

あきら「茶柱句会 第三部 第23回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第23回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)
9月8日〜9月15日締め切り分
兼題 露 虫 月 あるいは自由題(当季 秋)


聖水に露の一滴如くは無し

虫の弥撒(ミサ)ビルの隙間の大聖堂

部屋中にオスカ−・ピ−タ−ソン月今宵
(以上三句  大阪市 あきら)


虫の声一隅照らすこと難し

中堂の如来にまみゆ袖の露

中堂へ坂下りて来る秋の風
(以上三句  加古郡 はつを)


朝の虫寝ぼけ眼を開きけり

名月や白く替はりて出勤す

露割れず吾も壊れずにをりにけり
(以上三句  西条市 真鍋稲穂)


満月に醤油滴らして飯茶碗

餞別の軽さがうれし虫の声

日に灼けし肌にころがる虫の声
(以上三句  横浜市 十巣)

字句補足説明
順番に
露 虫 月今宵 虫の声 秋の風 名月が秋の季語
月今宵 満月 今日の月などはみな名月の傍題
オスカ−ピ−タ−ソン(1925〜2007)
ジャズピアニスト 代表作 好みは人それぞれながら
月見の一曲には月並みながら<fly me to the moon>
ボサノバをフィ−チャ−した都会的センスがいい


<同人欄>

「獺祭忌」 あきら(代表同人)vol.11


稲光瞬きひとつ埴輪の眼

秋川に見出しと写真タブロイド

菊酒やウッドベ−スに腹のしむ

獺祭忌短冊並ぶ句会なう

親鸞の鸞の戯れ無月かな

字句補足説明
順番に
稲光 秋川 菊酒 獺祭忌(子規忌) 無月が秋の季語
獺祭忌(だつさいき)子規の忌日(9月19日) 
川獺(かわうそ)は獲物を岸に並べる習性(獺祭という)がある 
子規は獲物ならぬ俳句の文献を並べたところから 
庵を獺祭書屋と名付けた
「獺祭書屋俳話」で俳句の独立を論じた
親鸞(1173〜1262)は浄土真宗の開祖 鸞(らん)は
空想上の鳥 鳳凰の一種
無月(むげつ)とくに中秋の名月が雨や雲などに隠れて見えないこと 
見えないが月光は感じられる風情 
雨で見えないときは 別に雨月(うげつ)という美しい表現がある 
いずれも秋の季語


「月光」 はつを(同人)vol.8

月上げて山湖かがやく句会かな

月光をあびて句会に臨みけり

月光の溢れだしたる琵琶湖かな

膳所の湖月の光を汲む翁

野菜苗育つまあひの月見かな

字句補足説明
順番に
月 月光 月見 湖月が秋の季語
翁は芭蕉のこと 琵琶湖のほとりの義仲寺に墓所がある
「育つ」は育てるの文語表現 
「まあひ」漢字にすると眉間(みけん)僅かな間 
つまり<育つまあひ>は育てる作業の僅かの間ということ


「美」 稲穂(同人)vol.10

名月や三交代で喰ふ饂飩

吾が身より長き糞付け金魚かな

腹向けて逝きぬ壱尾の金魚かな

子規さんが陳腐としたる句と夜長

信号で止まりて逢ひぬ今日の月

字句補足説明
金魚は夏の季語
それ以外は順番に名月 夜長 今日の月と秋の季語


<講評>
茶柱句会主宰あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
今回の参加は4名(204名)参加句数は12句(295句)( )内の数字は累計
3同人と横浜市の十巣さんの句会となった
十巣さんは初期の頃からの参加 今回で累計26句掲載となられた 
同人推挙まであと4句 今回はお休みの鈴鹿市の天白さんと並ばれた
二人の女流俳人の同人参画は大いに待たれるところ 
一気に30句超掲載を果たして同人推挙を受諾していただきたい
はつをさんの<中堂の如来にまみゆ袖の露>が格別に素晴らしい
中堂(ちゅうだう)といえば特には比叡山延暦寺の根本中堂を指す 
如来は本尊の薬師瑠璃光如来 袖の露がお参りの臨場感を表して 
露の儚さも伝わってくる 同人欄にも比叡山での観月句会の句が並ぶ
稲穂さんの<露割れず吾も壊れずにをりにけり>は悟りの一句
道元の悟りの心境を彷彿させる
十巣さんの<餞別の軽さがうれし虫の声>
シニカルな十巣さんらしいなかなかの一句


─俳句なう─
茶柱句会第三部「第24回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
9月22日〜9月30日締切り 10月8日掲載予定
一人3句まで(1ツイ−ト3句以内)
兼題は<霧><栗><柿>
あるいは自由題<当季 秋>でご参加下さい
なお震災復旧等の影響で掲載日程が変わることがあります
ご了解下さいませ



Let's Tweet
haijin575をフォローしましょう
井上 明関連サイトリンク
暮らし方研究会
http://www.kurashikata.gr.jp

第60回
茶柱ツイッタ−句会

第59回
茶柱ツイッタ−句会

第58回
茶柱ツイッタ−句会

バックナンバーINDEX
前を見る 次を見る
| 著作権について | このページのトップへ | 茶柱横町入口へ |