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あきら「茶柱句会 第三部 第21回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句を遊ぼ─
「第21回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
8月8日〜8月15日締切分
一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)
兼題は立秋 枝豆 涼新た
及び自由題(当期 初秋)


秋立ちぬ迷子のやうにビルの間(あひ)

枝豆や金剛力の丹波黒

倅には亡父の気質涼新た
(以上三句  大阪市 あきら)


立秋を探し寄り道二三軒

立秋や猫に寛ぐ場所を聞く

おしゃべりに枝豆ばかり喰ひにけり
(以上三句  世田谷区 ごろべえ)


露まみれの草を飼葉といたすべく

切り絵ごと芋の葉喰らふとこよむし

才能一努力九十九涼新た
(以上三句  加古郡 はつを)(代ツ)


下り道流す自転車今朝の秋

枝豆に二つの指の忙しけり

玄関の履物揃ふ涼新た
(以上三句  西条市 真鍋稲穂)


枝豆の塩のうまさの残暑かな
(以上一句  横浜市 十巣)


枝豆や夫の母校が敗退す

本殿や辺りの灯の涼しけれ

炎日や漁師の着衣縄一本
(以上三句  鈴鹿市 天白)

字句補足説明
順番に
秋立ちぬ 枝豆 涼新た 立秋 露 芋 が秋の季語
今朝の秋は夏の季語 朝の涼しさを秋の涼しさのようだと表現した季語
涼し 炎日は夏の季語
芋といえば俳句では里芋(小芋)のこと
とこよむしは芋虫の異称


<同人欄>

「拝火教」 あきら(代表同人)vol.9


秋立ちぬ蝉の躯の曳かれゆく

秋立ちぬビルの隘路を抜くる風

流燈やド−ムを揺らしまた静か

北村西望作 長崎平和祈念像
水平の左手を見よ長崎忌

送り火や拝火教徒の裔(えい)ならむ

八月尽六日九日十五日

字句補足説明
順番に
秋立ちぬ 流燈 長崎忌 送り火 八月尽(はちがつじん)が秋の季語
拝火教 火を神化して崇拝する信仰の総称 
特にゾロアスタ−教の称(広辞苑)


「撫子」 はつを(同人)vol.6

虫籠ごと簾網戸をくぐらせて

撫子の栗毛ゆたかな澤穂希

蜘蛛の囲に掛りし蝉を逃がしやる

ボランティアする若人の顔涼し

記念樹の梧桐さやぐ夜の秋

字句補足説明
順番に
虫籠 撫子が秋の季語  蜘蛛の囲 涼し 夜の秋が夏の季語


「仮面」 稲穂(同人)vol.8

仮面売る夜店の親父愛想なく

花火終へ婦人警官メット脱ぐ

黙祷の頭に降りし蝉時雨

濃き皮の西瓜いただく両の腕

大荷物ベンチに置きて素跣なる

声残し過ぐ鍔広の夏帽子

ポッキ−を銜へ雀が夏の空

背の伸し子には小さき庭プ−ル

字句補足説明
順番に
夜店 花火 蝉時雨 素跣(すあし)夏帽子 夏の空
プ−ルが夏の季語 西瓜は夏の季語のようだが歳時記では秋の季語


<講評>
茶柱句会主宰あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
今回の参加者は6名(96名)参加句数16句(263句)( )内の数字は累計
世田谷区のごろべえさん 愛猫家で ごろべえは愛猫の名を俳号にされた
ほのぼのとした持ち味での初参加 これからもよろしくお願いします
横浜市の十巣さんは 枝豆の塩味に着目された なかなかの塩梅の佳句
同人のはつをさん 稲穂さんはこつこつと味わい深い句を発表
じっくりと味わって下さい
こういう姿勢を私たちも見習いたいものです
鈴鹿市の天白さんは意欲的な一句<炎日に漁師の着衣縄一本>
青木繁(1882〜1911)の作品「海の幸」(1904年)を
想起させる根源的な生命賛歌
俳句としての完成度は未だまだ低いが 
天白さんが目指そうとする世界が現れつつある 
今後の展開がますます期待される


─俳句を遊ぼ─
茶柱句会第三部「第22回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
8月22日募集〜8月31日締切り 9月8日掲載予定
兼題は<爽やか><鰯雲><踊り>あるいは
自由題 当季<秋>でご参加下さい







あきら「茶柱句会 第三部 第22回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句を遊ぼ─
「第22回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
8月22日〜8月31日締切り分
一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)
兼題は爽やか 鰯雲 踊
あるいは自由題(当季 秋)


爽やかに棋士の一礼投了す

鰯雲公会堂のマーキュリ−

盆踊りヒップホップの振付師
(以上三句  大阪市  あきら)


爽やかに今朝の警笛街の角

月曜日をはり一息鰯雲

踊より楽しきことの増ゆばかり
(以上三句  西条市 真鍋稲穂)


爽やかや下鴨通りのおちゃわん屋

七十路やいろいろありて鰯雲

腰巻の色とりどりや阿波踊り
(以上三句  加古郡 はつを)(代ツ)


白波の岩肌研ぎし秋に入る

秋の鳥沖へゆくのか岸辺にか
(以上二句  鈴鹿市 天白)


字句補足説明
順番に
爽やか 鰯雲 盆踊り 踊 阿波踊り 秋に入る 秋の鳥が秋の季語
マ−キュリ− ローマ神話の商売の神(ギリシャ神話のヘルメスと同一視)
大阪市中央公会堂のド−ムの上に据えられている


<同人欄>

「俳句なう」 あきら(代表同人)vol.10


疎ましき悋気のやうな残暑かな

米の文化人類学者アン・アリスンの日本観の近著書名
刀から「菊とポケモン」時代なう

セシウムは姿を潜む芋の露

秋霖に喜ぶいのち俳句なう

語らひてふゝむ一献白露かな

おまかせで暮らすも度胸菊枕

字句補足説明
順番に
残暑 菊 芋の露 秋霖(しうりん)白露 菊枕が秋の季語
秋霖は秋の中頃の梅雨のような長雨のこと
菊枕は 干した菊の花びらを詰めた上品な枕 ほのかに菊の香がする


「無言」 稲穂(同人) vol.9

夏の海ちよつと太目のビキニの子

扇風機文句の中を風送る

同乗のちょつと匂ひし秋遍路

秋雨も同行二人軒の下

字句補足説明
順番に
夏の海 ビキニ 扇風機が夏の季語
秋遍路 秋雨が秋の季語
歳時記では遍路だけだと春の季語


「大文字」 はつを(同人)vol.7

大文字涼しき風を呼ぶ火かな

妙法の火に信心の母想う

妙法の火の浮かぶやに陸奥の海

施火消えて京の都に上がる月

原発やはかなく消ゆる大文字

字句補足説明
順番に
大文字 妙法の火 月が秋の季語
妙法の火は大文字の傍題の季語
施火(せび)は大文字など精霊の送り火の焚き火のこと

<講評>
今回の参加者は4名(100名)参加句数11句(283句)( )内の数字は累計
同人3名と売り出し中の新人 天白さんとの句会となった
この機会に今回は芭蕉追慕の奥の細道の吟行をされている
はつをさんの句を中心に少し詳しく鑑賞してみたい
兼題に沿って三者三様の捉え方が伺える
はつをさんの<七十路やいろいろありて鰯雲>はうむをいわせぬ一句
年の功といってしまえばそれまでだが
この句は七十路も佳いものだと希望をもたせてくれる
このような俳人だから<爽やかや下鴨通りのおちゃわん屋>と詠める
<下鴨通りのおちゃわん屋>が誰にでも<爽やか>ではないことは自明
俳句は人品骨柄が丸見えになるところが怖い
巧拙は努力すれば克服できるが 人品骨柄となるとそう簡単ではない
はつをさんだから<腰巻や色とりどりに阿波踊り>と詠んでも下品にならない
このような観点からはつをさんの同人欄「大文字」を読むと味わいが一層
深くなる
多才な稲穂さんは交流の幅がひろい<踊より楽しきことの増ゆばかり>は 
そんなお気持ちを率直に表現された 愛媛県は俳句の県 
そこで子規のホトトギスから自由律の山頭火まで幅広く俳句を愛される 
その作風は奔放 同人欄の「無言」には稲穂ワ−ルドがある
天白さんは休まずによくぞ参加された 
俳句を自得するには これくらいの気魄がなくてはならない 
搾り出すように作ってみるのもひとつの修行
作品には工夫の余地も多々あるが その気魄を買いたい
太平洋に面した近所の光景だろうか はては天白さんの内面だろうか 
搾り出す気魄が吐露された 同人の句と並んでも遜色がない 
短期間によくぞここまで努力されました 当句会のお手本のような方
俳句を自得する途はいろいろあろうが 
いついかなるときでも<たゆまず作り続けること>に尽きる 
句会の役割はその機会を提供するところにある
そのために「茶柱ツイッタ−句会」の門戸は開放されている


1周年記念─俳句なう─「第23回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
9月8日〜9月15日締切り  9月22日掲載予定
一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)
兼題<露><虫><月>
あるいは自由題<当季 秋>でご参加下さい
なお震災復興等の影響で掲載日が変更になる場合もあります
ご了承下さいませ



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