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あきら「茶柱句会 第三部 第14回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句を遊ぼ─
「第14回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
4月22日〜4月28日締め切り分
一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)
兼題なし 自由題(当季・初夏)


<俳句の部>

蔦若葉櫓を目指し日に一句

血のメ−デ−よりも恐ろし不感症

五月晴双子のバギ−の誇らしき
(以上三句 大阪市 あきら)


老鶯や己が音色に惚れてをり

老鶯や朝をたつぷり目覚めさせ

老鶯や雨音の中鳴きゐたり
(以上三句 西条市 田所良雄)


五月風裾ひるがえせみな乙女
(以上一句  横浜市 十巣)


筍をどかりと置いて帰りけり

相生の海に漕ぎ出す花筏

地震跡に大漁旗や風光る
(以上三句  加古郡 はつを)(代ツ)


風薫るボ−ダ−シャツの姉妹かな

読書会絵本持ちよる立夏かな

プリン二顆苺大福オトメ会
(以上三句 鈴鹿市 yanbuo)


見納めの花は関山溢れ咲く

風光る泥掘る甥の無心なり
(以上二句 神奈川 みゆき)

<その他の部>

季語になきアイスジャスミンティ−なれど初夏
(以上一句 横浜市 十巣)


<同人欄>
「初鰹」 あきら(代表同人)vol.2
イチロ−の美学はかくや小鯵刺
禅堂や茄子植う畝に砥汁を
風薫る女子高生の譲る席
毎日が日曜画家や豆ご飯
蓬髪の土方巽卯波立つ
朝走る人みな光る聖五月
初鰹眼まつすぐ澄みゐたり
凛呼たる緋牡丹お竜同世代

字句補足説明
順番に
小鯵刺(こあじさし)茄子(なす)植う 風薫る 豆ご飯(豆飯)
卯波(うなみ)五月 初鰹(はつがつを)牡丹(ぼたん)が初夏の季語
砥汁(とぎじる)米を洗った水 禅寺は究極の摂生生活
イチロ−(1973〜)MLBシアトル・マリナ−ズ 走攻守に美学がある
小鯵刺の狩猟もイチロ−のようにケレン味がなく一直線
土方巽(ひじかたたつみ)(1928〜1986)大野一雄に次ぐ前衛舞踏家 
蓬髪痩躯・白衣の記憶 古代の覡(げき)男の巫女の感じだった
聖五月 キリスト復活から50日目つまり聖霊降誕祭のあるキリスト教の聖の月
初鰹 むかし北上する鰹が青葉の頃鎌倉沖あたりで獲られ江戸に上ったもの
緋牡丹お竜 東映・緋牡丹博徒シリ−ズ(1968年〜)の主人公 矢野竜子
凛然とした藤純子(現・富司純子)(同じ1945年生まれ)の当たり役だった


「谷渡り」 良雄(同人)vol.1
老鶯や主旋律なる谷渡り
老鶯や雨にも負けず繰り返す
老鶯や協奏とせし小雨の音
老鶯や半畳の庵音色満つ
老鶯や少し変へての谷渡り
老鶯や地鳴きも加へ朝七時
老鶯や仕舞ひ来るか乱れ鳴き

字句補足説明
老鶯(らうあう)が初夏の季語 夏鶯ともいう
鶯だけだと春の季語 夏の時鳥 秋の雁 とともに代表的な季語
春まだ幼かった鶯が一人前に成長した尊称 晩鶯 残鶯ともいう
谷渡り 谷から谷へ飛び渡るさま とくに鶯が鳴きながら渡る様子

<総評>
「茶柱句会」主宰 あきら(茶柱ツイッタ−句会 代表同人)
今回の参加者は7名(68名)参加句数16句(182句)( )内の数字は累計
新しい参加者 鈴鹿市のyanbuoさんを迎えました
颯爽たる若手の軽快な俳句の今後が楽しみ
ボ−ダ−シャツは いまNYに始まり日本でも流行中 
かつてマリンルックとして記憶する方も多いだろう 
デザインのヴァリエ−ションも豊富なカジュアル・ファッションとして
新たな人気を得ているようだ
三句を順にABCとすれば Aの方向性を伸ばされると一層よいでしょう
横浜市の十巣さんは ますます現代詩のような感性を深化
五月風(さつきかぜ)はみな乙女だと断定したり 
季語にない言葉を据えて俳句をからかったり 
透明で瑞々しい感性は当季にピッタリ・・・だが
<季語になきアイスジャスミンティ−なれど初夏>では中七が字余りだし 
厳密にいうと<アイスティ−>は 夏の季語なので<季語にない>というのは
間違い 当句会の基本ル−ル上<その他の部>に掲載するしかない 
<みな乙女>と断定した句のほうが俳句という形式の理にかなっている 
前回の<あうならば五月にしよう受話器置く>を読んだ僕の知人から
「会うならば五月にしよう」とメ−ルが届いた いろんな反応があるものだ
加古郡のはつをさん<筍をどかりと置いて帰りけり>の句 
「どかり」と置くだけ置いて帰るというのが佳い なんの説明もないが 
持ってきた人と貰った人との人間関係や人となりまでが伝わってくる 
俳句という詩形式の妙
三句目の下五 当季なら<風薫る>が季語だが 作者は大漁旗だから 
敢えて<風光る>にしたいと 少し前の季語を選択された
神奈川のみゆきさん<見納めの花は関山(かんざん)溢れ咲く>がとても佳い 
関山で切れ下五にゆく一拍の呼吸が俳句 
工夫するとすれば<溢れ咲く>が安易すぎる点 
関山は品種改良された八重桜の銘 ソメイヨシノの儚さとは異なる
豪華さがある東京だと不忍池にあるようだが 
僕は大阪の造幣局の桜の通り抜けで観た 
春のフィナ−レにもってこいの花
みゆきさんの俳句への取り組み姿勢は実に真摯 それは句にも表れてくる 
この姿勢で継続されることを望みます
東日本大震災の復旧・復興は端緒についたばかりで 
先行きの展望が欠如したまま視界不良 
しかしながら晩春から初夏へと時は移り 次回は早や仲夏 
全国の老若男女がネット上(文明)に集い 
季節とともに詩の言葉を紡ぐ俳句というのは「幸せな文化」だ

お知らせ
西条市の田所良雄さんが ツイッタ−句会30句超掲載を達成され
「同人推挙」いたしましたところ 快諾していただきました
さっそく本号から 同人欄にも作品を発表していただいています
老鶯の句を数多く詠まれた さながら良雄さんの自画像のように思えるのは
僕だけだろうか

今回で加古郡のはつをさんも30句超掲載を達成 
「同人推挙」を受諾いただけましたら 
次回から同人欄にも作品を発表していただきます

なお 同人欄は毎回掲載が望ましいが できる範囲で長く継続されるのもよい

(NPO)季語と歳時記(季語歳)HPでも紹介されていますが 以前お知らせし
僕も参加した 震災に関連する俳句や短歌が 
小冊子「震災をよむ」として発行されました(1部 1,000円(税送料込) 
うち500円は日本赤十字社を通じて義援金として寄付される)
季語歳HPから申し込みできます

茶柱句会第三部「第15回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
5月8日〜5月15日締め切り 5月22日掲載(予定)
兼題は特にありません 自由題(当季・仲夏)でご参加下さい
1人3句まで(1ツイ−ト3句以内)

震災復旧等の影響で横町への掲載日程が
変わることもありますがご了承下さい

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