井上あきら句作篇 その四 当季雑詠
芳しき大注連縄をくぐりけり
元旦やとだふ間もなき巫女の鈴
福笹に祈りと欲の撓みかな
霙るゝや地震(なゐ)の深傷(ふかで)のより痛き
豆撒きや追はれし鬼の行き処
<字句補足説明>
第一句、二句は新年の句
大注連縄(おおしめなわ)と元旦が新年の季語
第三句目は関西所縁の十日戎の句
「福笹」が冬の季語
第四句目は十四年目を迎える阪神淡路大震災の句
「霙(みぞれ)」が冬の季語
地震は古語に習い「なゐ」と読みます
第五句は節分の豆撒きの句
「豆撒き」が冬の季語
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