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第5回 川 柳

五七五の最短詩形
俳句にある季語や切れ
文語・旧かな表記などの
制約がないのが川柳
大袈裟に言えば言文一致体の現代的な定型詩
七五調の稽古は川柳に極まれり
七五調を血肉化するのに最もふさわしい形式

それゆえに古川柳といわれる句を鑑賞しておきたい
1765年(明和2年)柄井川柳が前句付け興行で選んだ句の中から
呉陵軒可有(ごりょうけんいかが)が掲載句を選考した

柳多留鑑賞
<イ>
本降りになって出ていく雨宿り

<ロ>
これ小判たった一晩ゐてくれる

<ハ>
かみなりをまねて腹かけやっとさせ

<ニ>
寝ていても団扇のうごく親心

<ホ>
役人の子はにぎにぎをよく覚え

もっと興味をもって学びたい方は
「柳多留名句選 上・下」1955年 岩波文庫
あるいはその抜粋と解説のサイト
http://www.soc.shukutoku.ac.jp/yokoyama/libri/yanagidaru.html
をご覧になることをお奨めします


●分析と解説

<イ>
本降りに(五)なって出ていく(七)雨宿り(五)
雨宿りしたけれど 止むのを待っていられない
本降りになってきた頃 飛び出すはめに

<ロ>
これ小判(五)たった一晩(七)ゐてくれる(五)
未練がましいが この小判
たった一晩だけでもいてくれる 庶民の悲哀

<ハ>
かみなりを(五)まねて腹かけ(七)やっとさせ(五)
子どもは元気 腹かけをさせるのに大わらわ
類句に「男の子裸にするととかま(捕)らず」がある

<ホ>
役人の(五)子はにぎにぎを(七)よく覚え(五)
にぎにぎは袖の下のこと 昔も今も役人のワイロはなくならない
子どもまでワイロの貰い方を覚えたという皮肉

現代川柳は第一生命の「サラリ−マン川柳」や新聞
各紙の「時事川柳」などに名作が多い
著作権のかねあいもあり
鑑賞句の掲載がままならず 興味のある方は
全日本川柳協会のサイト
http://www.nissenkyou.or.jp/
をご覧になることをお奨めします

世の中には川柳を俳句より一段低いものと看做す向きもあるが
私はそうは思わない
むしろ 制約が少ないぶん 実に現代的で 五七五
一行のプリティブな定型詩の側面をもっていて
大いに期待できると思っている

そういう意味でもこの茶柱横町は川柳的で
  この横町には川柳師が埋もれている
大鉱脈があると 睨んでいるが 如何

川柳っぽい川柳など目指さず
ヒップホップやラップに通じるセンスで作る
五七五の超短詩を千くらい作れば面白い
「千柳」という新ジャンルになるかも。。。
一人で作ることに拘ることもない 横町合作もあり

◆発句のつもりで試作
<イ>
ラビリンス(五)カオスコスモス(七)モスバ−ガ−(五)
漢字で書くと「迷宮。混沌。調和。モスバ−ガ−店」という風
興味のある人 自由に継いでみて下さい

<ロ>
千柳も(五)一句を以って(七)うち開く(五)
千里の道も一歩から
以上を以って「茶柱句会」第一部とします

以降 第二部として「俳句」を目指します


<出展>
本稿における参考事例・内容解説などについては、特段の説明がない限り、
その多くをフリ−百科辞典「ウィキペディア(wikipedia)」によっています。
ここにその出展を明記させていただきます。

井上 明関連サイトリンク
暮らし方研究会
http://www.kurashikata.gr.jp

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