|
06 ごめんなさい
ごめんなさい
あなたが泣いている夜に私は遠く離れた空を見ています。
電話の向こうからあなたのため息が聞こえてくるのに
私はあなたに走っていくことすら出来ません。
ごめんなさい
大きくなったらあなたが頼れる人になると言ったのに、
未だに私はあなたの小さな子供です。
ごめんなさい
あなたが教えてくれた奇麗な道を見向きもしないで
私は先の見えない小さな路地で迷ってしまいました。
ごめんなさい
ああ、ごめんなさい
たった一言をあなたに言えない今日の私・・・
あなたに似た顔が淋しい笑みを流します。
蒸し暑い夏の夜風に
届くはずのない言葉を送ります。
ああ、ごめんなさい |
|