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「未熟とは「未(いま)だ熟さぬものの、やがて確かに熟するもの」のことをいう。いつまでも熟することのないものは「不熟」といい、結局は、熟することなくいのち果てるもののことだ。つまり「未熟」と「不熟」は対極(正反対)に位置するものである。というわけで「未熟なる若い衆」とは「有望な可能性に充ちた若者」の意味である。

第5回 好奇心の栄養失調

ジャンクフードの害

 商売柄(時代小説書き)のせいで、天井までの本棚の江戸時代関係の資料本と首っぴきの毎日である。
 いわく「江戸風物詩」「江戸事件簿」「江戸10万日の記録」「近世事件史年表」「江戸名所記」「江戸司法警察事典」……つまり江戸漬けである。
 しかしこれでは、心の栄養が偏り、健康によくない。気分転換にせっせとコンサートやライブに出かける。芝居を観に行く。できるかぎり、映画も観る。落語を聞く。歌の作詞をしたりする。
 それでなくともトシだ。感性とからだのストレッチングに努める。
 もちろん、日々の食いものには(ワイフも)心をくばってくれている。
 「ジャンクフード」を辞書でひく。「栄養価の低いスナック菓子や食品。即席食品やファーストフード」とある。
 独り暮らしをする若者たちの食生活を観察すると、どうにもこうにも栄養のバランスがわるい。
 ついでにもうひとつ、知的栄養への配慮がまるで欠落しているのが歴然とする。つまり、マンガや劇画など、それにケイタイ電話ゴッコなどのその場かぎりの、言うなればジャンクフード的な時間つぶしが多い。これでは、ここ一番!充分にやってやろうじゃないか!の場面で戦えないと思うね。

たとえば、こんな本を読んでみないか?

 活字のビッシリ詰まった本なんかカッタルイ……そう言わずにぜひ読んでほしい本はいろいろあるけどね。
 たとえば真保祐一著「繋がれた明日」(朝日文庫)を手にとってみてくれないかなあ。そう、この3月、4回にわたってテレビで放送したサスペンス・ドラマの原作本です。
 ある少年が、自分の恋人にまつわりつくストーカー男と争って、ナイフで刺し殺してしまう。その主人公がその後、どういう生き方を強いられるか――?
ここに登場する主人公と彼のストーリーから、若い君は何を感じ、何を思い、何を得るか。
 イージーなジャンクフードではない、「読書による意義のある追体験」を通じて、心にプラスするまっとうな栄養を得ることができると思うよ。
 人間だれしも「不幸・不運なアクシデント」と無関係ではいられない。でも、そんなシンドイ最悪のシュチュエーションの時こそ「しなやかな強さ」を試されるのですね。
 たった一回こっきりの人生をJUNK(くず・がらくた)にしないために、ぜひ「好奇心の栄養失調」にならないで下さい。

「週変わりエッセイ・ニッポンの芸能人」http://www.mochi-well.com/
どうぞごらんのほどを。

第11回
近況報告
来し方をふり返って

第10回
図にのるということ

第9回
思考の[生前硬直]

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