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012 イタリア、ボローニャの旅


ボローニャ国際見本市

去年の4月に、イタリアのボローニャ児童図書展を見にというか、売り込みに行って行って来た。ボローニャ児童図書展とは、世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市。日本でいうと東京ビックサイトでよくやってるイベントのような感じで、主に出版社同士で版権の売買がおこなわれている。そこに世界中から絵本作家を目指すイラストレーターたちの売り込みにやってくるのだ。

私も外国で絵本が出したいという野望を持って、売り込みに行ってきた。じつは、前々から友達がボローニャ児童図書展の中で開催されている、絵本原画のコンクールのボローニャ国際絵本原画展で入賞してボーロニャに行った話を聞いていて、ず〜と行きたいと思っていたのだ。それで、スケジュールの都合もついたのでやっと行けることになった。

でも、ボローニャ児童図書展の開催中は、ボーローニャのホテルは一泊3万円以上もするというぼったくり状態。それでも満室というのだ。それにツアーに一人参加したら追加料金がプラス8万円とか言われたので、ツアーでなく個人でH.I.S.で飛行機チケットとホテルを予約して行くことにした。

ミラノ往復で96.500円。ボローニャのホテルは高いので、電車で1時間のフィレンツェのホテルに泊まることにした。フィレンツェのホテルは駅前で、朝食付きで一泊1万円だった。

ボローニャは、歴史のある町で17〜18世紀の雰囲気が色濃く残っていて、レンガを多く使用しているため街全体がに赤茶色ぽい。
 『ポルティコ』(柱廊)という古いアーケドで街全体がつながっていて、雨にぬれずに移動できるのがすてき。


フィレンツェのヴェッキオ宮殿

5日間の会期中は、毎日ボローニャ児童図書展の会場に通っていたのだけど、合間をみてボローニャの町も観光した。

まずは、トリビアにも出ていた、おっぱいから水が出る噴水の『ネプチューンの噴水』をマジョーレ広場に見に行った。確かに、おっぱいから水が出ていて笑えた。噴水の横にあるエンツォ王の館は中には入れないけど、昔ローマ皇帝フリードリッヒ二世の子息エンツォが幽閉されていた所だそうだ。
 同じくマジョーレ広場にある市の図書館。中に入ると床がガラス張りになっていて地下の古代都市Romaの遺跡が見られた。

ボローニャは、『スパゲティーボロネーゼ』でその名がつくほどの食の都。高いのでろくなものを食べてなかったが、せめてスパゲティーボロネーゼだけは食べて帰りたいと、ボローニャ児童図書展で偶然に再会したイギリスに住んでる友達と2人で町のレストランで食べた。とってもおいしくて満足。
 食べてて、周りを見て思ったんだけど、最近のイタリア人は以前より、ヘルシー志向になってるらしく食べる量が少なくなってる気がした。以前は、メインディッシュの前に出てくるスパゲティーでお腹がいっぱいになるほどの量がでてきたけど、そんなに量は多くなかった。

目的の国際見本市の会場は、ボローニャの駅前から出てるバスに乗って15分くらいのところ。
 私は一人で行ったんだけど、日本人がたくさん来ていて知り合いにもたくさん会った。
 売り込みに行ったので、絵本の見本や、名刺をイタリア語と英語で作って持っていったが、ほとんど英語でことたりた。というかイタリア語は全然わかんないし、英語もそんなにわかんないのだけど。
 でも、話せなくても、イラストの作品をファイルを見せたらなにを言わんとするかだいたい相手に通じた。なかにはもっとすごい人がいて、日本語で「見てください」とまったく英語をしゃべらずに通していた人もいた。でもその人はその売り込みがきっかけで、台湾から絵本がちゃんと出版された。

どこのブースも版権の売買などの仕事が忙しそうで、イラストを見てもらうのは並んだり予約を取って見てもらわなくてはいけない。
 運良く、すぐ見てもらえても編集者じゃなくて営業の人だったりした。それにフランスのブースでは、「フランス語のわからない人はおことわり」と冷たくされた。でも、たくさんのブースで見てもらって、いろんなアドバイスをもらえた。でもその結果、やはり私の絵は、小さな子供向けで、ストーリー性のある絵本には向いていないということ…。とほほ。

意外といいなと思ったのは、日本の出版社にいっぺんに売り込みできること。日本だと1社づつ回らなければ行けないけど、ここではまとめてブースが出てるので、すぐにたくさん見てもらえた。知り合いの編集者にも何人かあった。みんなけっこう来てるのね。


ヴェッキオ橋

イタリアはスリが多い。とくに、見本市の開催時には、スリの集団がたくさんやってくるという。知り合いの編集者の何人もスリにあった。それで、私も気をつけてサイフは鎖でカバンに結びつけて、カバンはたすきがけにして前に抱きかかえて、帰りの満員バスに乗った。それなのに、気がつくとカバンのファスナーが壊され、サイフからお金だけ抜き取られいた。小分けにしてたので、約1万円。「イッツ ミラクル!」。いったいどうやって抜き取ったのだろう!?謎である。まさに神業。

バスを降りて、警察に被害届を出しに行ったら「英語はわかんないから、ミラノにいって被害届を出して」と言われた。なんだかな〜イタリア。こういうと ころがおおざっぱというか、いいかげん。電車も、ほとんど時間どおりに来ないし。ま、それが、おおらかでいいところなのかも?

結局、外国で絵本を出すという野望ははたせなかったが、いろいろと得るものが多い旅だった。

068
『豊橋ハリストス正教会』

067
『大好き!着物』

066
『仏像に変身した私』

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