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〜その13〜 各星座の司るもの<8>射手座

ついに「射手座」までやってきました…。
12星座で言えば第四コーナー手前。が、がんばろう…!

さて。
射手座。黄道12宮・9番目の星座、守護星は木星です。
射手座の人って、どんな人でしょう。
そのほか11星座のみなさんにうかがってみると、
「つかみどころがなくて、自由な感じ。ひとりで旅とかにも出ちゃうし」
「みんなでいても、ふらっとどこかに行ってしまったりして、
話聞いてんのか!と思う。気ままっていうか、…勝手?」
みたいな評価が多いような気がします。
実際、「旅を住処とす」みたいな生き方をする人も、
他星座に比べると多いようです。

まあ、表現はいろいろあると思うのですが
射手座の最大特徴は
「ひとりでふらっと」
みたいな感じではないでしょうか。
確かに射手座には、
「旅には出ないまでも、みんなで騒ぐよりひとりで本を読んでいたい。
だから、もう帰る」
「大事なこともひとりで決めて、すでに実行して、
みんなに話すときは既に事後報告だ」
なことの多い人なようなので、
協力・連帯感・情報交換・共感・情熱の共有…みたいなものを不可欠とする、
いくつかの他星座のみなさんからは特に
「何を考えているのかよくわかんない奴だ」
「結局あいつはひとりがいいんだよ」
「なんか自分ひとりで、自己完結してるよね。入り込む隙がないっていうか…」
な〜んて、悲しみとあきらめと反発をもって、評されてしまうようです。

でも、本当に射手座は「ひとりを好む」のでしょうか?
どうだろう?なんか違うような気がします。
そこで。違う側面から彼らを見て、ちょっと私が弁明を図ってみたいと思います。

射手座の守護星は「木星」。
太陽系最大質量の星・木星は、占星術におけるラッキースター。
「幸運の星」として有名です。
よく雑誌の「12年に一度の大幸運期!」と言われる年がありますが、
あれは1年1星座、移動していく木星が、
自分の星座に回ってきたときのことを表現しているものです。
「幸運」といっても、人によって思い浮かべることはさまざまだと思いますが
木星の与える幸運は、いわゆる「棚からぼたもち」系とは大分違っています。

木星の持つ本来の力は「拡大・発展」。
つまり簡単に言うと「成長させる」星です。
私の中のイメージでは、決して子どもに「いいよ〜いいよ〜」と
何でも買い与えてくれる“甘いお金持ちの親”、みたいなものではなく、
ひとつぶの種に、どんどん栄養を送ってぐんぐん葉を伸ばさせる
“無限に(←ここが大事)豊かな土壌”のような感じでしょうか。

しかも。
「成長させる」星である木星は、
「その人が“最も必要としている人生の目的”を見つけられる方向へ」と
人をいざなう性質を持っています。
いや、言い方を変えると
「人が自分の真実を追う旅に出ようとするとき、木星は最も威力を発揮する」
みたいな感じです。
だから「木星の恩恵を受けるためには、
種のほうも日ごろから鍛錬しておく必要あり」
なのでした。これは余談。

こんな星を守護星に持つ射手座は
やはり「人生の目的、真実」を求める求道者のようなところが
根っこにあるのではないか…?と思います。
真実は、その人その人に固有のもの。
だからこそ、「真実を追うときはひとり」でなくてはならないのです。

そんなことを、もしかしたら射手座は、
生まれながらに知っているのかもしれません。
いや、そうかっこよく言わなくとも、
「集団だと、“生き”ぐるしい」んだよね。多分。

それに「気まぐれ」「つかみどころがない」と称されている射手座ですが、
何気にエネルギーと情熱の一派「火の星座」に属しているのだということも、
忘れないでください。
傍目にどう見えようとも、
そうそうやる気がないわけじゃありません(そこまではいってない?)。
そのエネルギーの源(もしくは目的)が、
牡羊座は「生きることへの渇望」(翻訳=「これが俺だ!」)であり
獅子座が「個の魂の尊厳」(翻訳=「俺を認めろ!」)であることと比較すると、
射手座のそれは「真実の探求」(翻訳=「これが俺の世界だ!」)であり…って、
ロジカルになりすぎましたか。
簡単にいうと、
「ロングスパンで遠くを見つめ続ける必要がある、狩人気質」なもんで
何か「(「聞いてんのか、コラ!」といわれるほどに)いつも遠くを見てる」
感じなんですよね…。だから人に壁を作っているのではないと思います。
自分の人生に「集中」しているのですよ。多分。

とはいえ。

射手座を思うと、漠然と浮かび上がってくるイメージがあります。
猫が、興味を持ったものを追って追って、追っていくうちに
「帰る場所がわからなくなってしまう」ことがある、という話。
「真実」のような、大きな目的を追うことに夢中になって、
真摯に心のうちと外の世界を飛び回るうちに戻る場所を失ってしまう。
どこにも帰属意識を持つことが出来ない。
遠いものを追い求めすぎて、目の前の自分の体や生活への関心が極端に薄れる。
無視する。
食べない、寝ないといった「魂に従いすぎて、体や心の欲求を軽視する」傾向。
不安定で体になじみが薄く、入れ物を飛び出して外の世界に漂ってしまう魂。
そういう危険な弱点も、射手座にはあるような気がします。

確かに木星は「学問・哲学」も司る星。頭でっかちになる素質は十分です。
(得意だから頭に頼るんですな)
でも。またそこはアンビバレント?な話ですが
木星は「豊かな体をもたらす」星でもあります。
伸びやかな背、豊かな肉付き、頑丈な骨格。
結局のところ、射手座に「学習欲旺盛な魂」を授けているのは、
その健康な肉体なのですよ。

つまり(ここからは「射手座諸君への手紙」形式で)。

魂にしたがって生きられるのは、
実はあなたが誰より「健全な体」を甘受しているからに他なりません。
どんなに魂が尊いものを捕らえても、
実際に手に入れるべく投げ縄を投げるのは
食べ眠り笑い怒るあなたの肉体であり、
あなたという自由な存在を育んでいるのは、
時にはわずらわしくさえ思うかもしれないこの社会なのです。
そこには他の11星座が住み集い、あなたの分まで世界を守り、
帰りを待ってくれています。
それこそ、世界すべてが、旅人たるあなたの家であるかのように。

射手座の使命は、
12星座の中で一番遠くまで旅し、
その妥協のない探究心で、
留守を守ってくれているあなた以外のすべての人の分まで、
輝く「叡智」を手に入れてくること。

その約束があるからこそ、世界はあなたを喜んで送り出すのです。
戻る場所のある旅に。

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