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〜その12〜 各星座の司るもの<7>蠍座

もし、その手が血に汚れたら
もう一生罪は消えないのでしょうか。

もし、何かに大きな傷を負わされてしまったら
もしくは、負わせてしまったら
もう「終わり」なんでしょうか。
その痛みは、永遠に癒えないのでしょうか。

今回のテーマは、第8の星座・蠍座です。
支配星は冥王星。

蠍座の番だなあ…と思いながら電車に乗っていたらふと、
先に書いたようなことが思い浮かびました。
これまでの回は、多かれ少なかれ
「身近にいるその星座の人たち」を思い浮かべて、
つまり「星のイメージを人間に当てはめて」書いてきたように
自分では思っているのですが
今回の蠍座の場合は、ちょっと勝手が違うようです。

私が感じ取るに、蠍座は
「人間に当てはめて、つまり“蠍座ってこんな人”
と言ってしまうとあまりに蠍座さんたちの荷が重過ぎる」
ようなことを象徴している星座なので、
なんとなく
「そういう概念があるんだなあ。
それとリンクしている星座が、蠍座なわけね」ぐらいな
ちょっと距離のある感じで、受け取ってもらえるといいな、と思います。

さて。
冥王星。
生と死、性、破壊と再生、
人間が不可知なこと(たとえば前世など)、 宿命を司る星です。
蠍座のエネルギーはこれとほぼイコールで、
蠍座の定位置・第八室は「冥界の門」とも呼ばれています。
そういう(?)星です。

こう「何かおどろおどろしい」単語が並ぶせいなのか、
それははっきりしないですが
どうも蠍座のエネルギーは、他の星座に比べ
「圧倒的に恐れられている」ような気がします。
蠍座の影響を多く受けている人にも、そうでない人にも。
みんなが星座に詳しいわけでもないのに、なんでなんでしょう。
なにしろあの有名な歌もあるくらい(美川大先生の)、
「情念(もしくは、うかつに近寄ってはいけない)の星座」だってことが、
妙に知れてますしね…。世間に。
なんてったって、他の星座の名前の歌、ありませんから。
(あ、乙女座もあったか、
ちょっと微妙に違うけど…←知ってる? by山口百恵)
でもそのみんなの感覚はある意味正しくて
その「触れてはいけないもの、気安く関わってはいけないもの」という
『タブー』感こそ、蠍座のエネルギーを、正しく受けとめている証拠だなあ、
とよく思います。

生きていると、いろいろなことがあります。
スムーズなことばかりではありません。
信じられない苦悩や絶望を味わうことも、あるでしょう。
あなたの中の冥王星は、蠍座は、
そんな限界値の状態のあなたにだけ、呼びかけてくる存在です。

「お前は“運命に身を投じてまで”、
自分に賭けることができるか?」と。
本当に「答え」がほしいなら、やろう。
そのかわり、「きっと答えは得られる」と信じて、
今すぐこの先の見えない崖から飛び降りるなら、と。

そのときに「ノー」と答える人には
おそらく、一生冥王星は、
蠍座のエネルギーは無縁なものになると思います。
それはそれで、幸せな人生でしょう。

ですが。
星をながめながらふと、「生きる」ということを考えると
「私は冥王星の、蠍座の送ってくるエネルギーを
真正面から受け止めて、今の人生を終わりたいな」と思うのです。
決してたやすいことではありません。
宿命の名のとおり、
自分の予測を全く超えた力に翻弄され、苦しみ、慟哭することも多いでしょう。
殺したいほど、人を憎むこともあるでしょう。
一生消えないと感じるような傷に、
汚されてしまったと絶望するかもしれません。

でも、そこまでの状況に自ら陥ったからこそわかる
本当のいたわりややさしさ、美、愛情、
何よりも奇跡が、あるのだと、私は感じています。

冥王星の見せてくれる「自分」というものは本当に衝撃的で
だからこそ、「あまりにも赤裸々な自分」を見てしまう怖さのために
(それこそが最大の『タブー』なんでしょう。人間にとって)
人はそれを恐れるのですが、
「この手を血で汚してまで、
どうしても手に入れたい何かがあったのだ。自分には」と心底理解し、
そして受け入れることで、
初めて飛び越えられる「境界」があるのだということも、
また真実なんじゃないでしょうか。
冥王星が、蠍座が伝えたいのは
「正しいだけでも、美しいだけでも、幸せなだけでもない
一義的な価値観では決して収めることの出来ない、生きることの意味」
きっと、そんなことなんじゃないか。そう思います。


命はいつか必ず終わるもの、
であると同時に、
命は、決して今だけのものではない
(前にも生まれ、そしてまた受け継がれていくもの)ともいわれます。

そういう、人類最大のテーマと
蠍座は深く関わっています。
だから……ちょっと人間に即して考えてみると
「謎の多い人だ」ということになってしまうんだな。そりゃそうだ。

ですが、少しでも理解を深めるためにも。
ごくごく「根源的な生」を表す蠍座はきわめてつくりが原始的です。
なので
<1>物事に多くの選択肢を持たない(いろいろ考えてみる、いろいろな人と話す、いろいろなところに行ってみる…など)。必要としないみたいです。
<2><1>のため、ひとつのものに対しての執着心が強くなる(それしかないんだから、そらそうだ)
<3>持久力が半端じゃない(蠍座は外側にエネルギーを発散することも少ないので、内臓量も相当あると思われる)が、そのエネルギーを「上手に、適切に発動させる」という能力はまた別の才能なので(蠍座は不携帯)、結果「一生恨む・報われなくても一生愛す」「怒り出すと自分でもコントロールできない→殺傷沙汰」とかも、多いわけですね…。蠍座は(涙)
<4>(これは推測ですが)上記のような人なので、たとえば恋愛ごとで凄く蠍座に執着されても、それは「愛情」ゆえではないかもな…と思います。あと蠍座は、大体自分でも、自分のことを持て余してます(笑)。いいんだそれで。


なんだか今回は、かなり宗教的?な内容ですね…(読み返してみた)。
まあ、いいか。蠍座は神秘の星。占い自体も第八室の管轄だからね、
想定の範囲内ということで(懐かしい)。

おりしも今日は、太陽が蠍座に入座する日でした(書いた日)。
思い立って書き始めたのは偶然です。やはり星のお導き?

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