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〜その10〜 各星座の司るもの<5>乙女座

さて。
大層遅くなってしまいましたが
三姉妹の末っ子・乙女座ちゃん(支配星は水星)をご紹介いたします。

ああ神様、乙女座をお救いください。
上のふたりに比べると、三女・乙女座は宿命的な困難を背負っています。

彼女のハウスは12宮の第6室。
通常ホロスコープは、ごく個人的な世界を象徴する1〜6室、
対外的な世界を現す7〜12室と、二大区分されます。(※1)
どっちからどっちに行くにしても、
境界越えの前後はいつも大きな意識の変更を余儀なくされるもの、
と私はイメージするのですが…
そうですね。例えるなら何か「通過儀礼」的なものを経るかんじかもしれません。
もちろん、天秤、魚、牡羊と、同じく境界近くに位置するほかの星座も、
もちろん同様な意味合いをその身に含んでいるのですが、
その中でも乙女座が支配しているのはもっとも典型的なもの、なのです。
「学生から社会人へ。子どもから男へ、女へ」

いつかは通らなくてはいけない道だということは分かっている。
過ぎてしまえば、きっと新しい世界が開かれるだろう。
とわかっていても!怖いに決まっています。
「大人になんかなりたくない。ずっとこのままでいられればいいのに」
=「美しい現状維持」
これはいろいろな意味で、乙女座の永遠の夢でしょう。

ホロスコープの始まりを日の出とすると、

乙女座の位置は日の入りぎりぎりの、もっとも憂いの漂う時期。 そういった、今までの価値観が崩壊していく、
闇に包まれていく過程に位置する彼女は
まあ、そういう精神的な乱世に生き抜く人の処世術なのでしょうか、
きわめて「ルールを設け、遵守する」性質を秘めています。
時間を守り、規則を守り、ペースを守り、すべてを、自分の監視下のもと、
一定のリズムで進行させるよう、気を配ります。
そうすることが、一番自分にとって居心地がよく、美しい世界を作るから。
そう、「均整美」です。いいかたを変えると「潔癖」。

また、1〜6室の「個人的な領域」の中で最後に位置するだけあって、
過去の5星座よりかなり賢く、未来的な感じがします。
まあ簡単にいうと「器用になっている」?
だから、「物事に適切に対処する」という能力は
もっとも長けているといってもいいのですが、
未来的になった分、当然失っているものもあります。
牡羊座の強い自我もなく、牡牛座の情熱的な執着力もなく、
双子座ほどのきままな行動力もなく、蟹座ほど一途に思える情もなく、
獅子座のような華やかさや誇りもなく。
ああ、いい言葉がありました。
乙女座は最高に優等生です。
でも「決定力不足」
この個性重視の世の中、ぶっちゃけ乙女座には超厳しいつーの(あえて軽く言ってみる)。
あーなんか、いいとこないじゃん!と思うと、思わず愚痴や、
人のあら捜しが多くなってしまいますよね…。
実際乙女座ちゃんは「自分は手を汚さず、人の行動にけちをつける」という
マイナスパターンも多いのですよ…(涙)。
守護星は水星なので、弁は立つし、観察眼も鋭いからね。でももったいないよね。

だからね、周囲の皆さん。そして乙女座本人さん。
これは本当だから、こう考えてください。
これは私のたまたまのイメージなんですけど。
乙女座は「悲しみよ、こんにちは」の主人公・セシル(だっけ?)みたいな感じですよ。
彼女はお金持ちの娘でとってもキュートガール(どんなだ)、確か15歳くらい。
パパと二人暮らしで溺愛されていて、かつBFもたくさんいるわ、な小悪魔なんですよ。
でもですね。その大好きなパパはある日、再婚したい女性を連れてくるわけですよ。
彼女としては、本当は天と地がひっくり返るほどの大ショックなんだけど、
そこは平気&余裕を装うわけ。パパはパパで勝手にやって、
私は彼らと忙しいの、ようこそ、パパの恋人さんみたいな。
それが、また中途半端に頭がいいからうまくできちゃうんだけど、
みんなもだまされるんだけど、そのギャップに苦しめられるのは、何より自分なんだよね。
たくさんの男の子と遊んでいても、彼女はまだバージンなんだから。
「大人のフリ」がさまになっているだけで、大人ではないんだから。
で、彼女、どうしたかというと、そのパパの恋人を事故に見せかけて殺してしまうのよ。
しかも悲しむパパに、大人っぽいねぎらいをしたりしちゃうわけ。
で、最後には「パパには私がいるじゃない」ちっくな。
そういうせりふがあったかどうかはあやしいけど。
確か映画の説明では「青春の残酷さ」みたいな系統のことが書いてあったような気もしますが、
言い換えれば
「大人の世界への恐怖感。自分の世界の均衡を破る存在への、爆発的な抵抗感。
子どもから大人への“性的イニシエーションの恐怖”」
なーんてとこもあるのかな、と。
「殺さなくても、何もそこまでしなくてもいいんじゃないの、と通常思いますよね。
でも、そういう「危うさ」の中に存在しているのも、乙女座なんですね、
頭がよすぎるんだね。
だってパパに「パパは私だけのものよ!」と泣きついたり、
とにかく無視して相手に拒絶の姿勢を見せたり、
逆に恋人に近づいて、相手の情報を集めたり、時には仲良くなったり。
もっともいいのは、自分も誰かを本当に好きになったりすることで、
この機会に精神的に自立して「パパを一人の人間としてみる」ことを覚えたり。
対処はいろいろあったはずだからね。
頭はいいけど、やり方はへたくそなんだね。経験値が少ないからね。

だからこそ、一番乙女座に求めたいのは、
「頭でっかちになりすぎず、実際に現場に出てくること」
「知識と体験を、等しく積むこと」。
あと
「自分に内蔵された美を信じること」。
乙女座の美しさは世慣れていない、汚れていない美しさ。
成熟前の、ぎこちない、どこか完成されていないバランスにあると思います。
なのに「潔癖」だから、人前で失敗してはかっこわるい、みんな笑うに違いない!とか
思っちゃうんだよね。だから失敗する前にすぐ帰っちゃう。ひどいと全然出てこないの。
でも、実際に人に囲まれて暮らしてみると、美しさや魅力の概念はそれこそ星の数ほどあって、
「完成されている。隙がない」ものよりも
、 「どっか足りない、余分がいっぱい」なもののほうが数倍愛されていたりするでしょう。
成熟とは、「あるがままの姿を美しいと感じ取れる心」。
それを教えてくれるのは、やはり実践による経験でしかありません。
「すごく恥ずかしかったけど、必死でプレゼンしたら、意外な人に褒められた!」
「コンプレックスもっていたけど、彼にかわいいといわれて、自分の殻を破れた!」
だから、乙女座ちゃん。あなたのことはそのままでも、みんなが大好きです。
だから、今度の飲み会行きましょう。
みなさん、この小生意気で頭でっかちで口うるさい三女を見かけたら
「小姑みたいなこと言ってるけど(大体真実)、
本当はバンビのように繊細なハートの持ち主だ」と思って大目に見て、
「乙女座ちゃんが来てくれて、うれしいよ!」と言ってやってください。
案外、すぐガード下がりますから。

だって彼女は、多分ずっとそういって、ほしかったんですから。

(※1)
ある個人のうまれついた影響・能力を現す天空図(星の配置図)を通常「ホロスコープ」と呼びます。
ホロスコープは生まれた時間を起点(そのとき地平線上昇中の星座を「上昇宮」と呼び、一とする)に、
12個の室(ハウス)に分かれ、それぞれはさまざまな性質・才能から、
周辺環境をつかさどると考えられています。

すごくざっというと
一室 「自分・自我の室」
二室 「財産の質」(自分が獲得する財産)
三質 「知的好奇心・兄弟姉妹の室」
四室 「家庭の室」
五室 「創造・恋愛・子どもの室」
六室 「労働の室」
七室 「パートナー・結婚の室」
八室 「結婚後の生活、死と性、遺産の室」
九室 「高等学問、外国、思想の室」
十室 「天職の室」
十一室 「希望、友人の室」
十二室 「秘密、隠された敵の室」

その起点となる星座は、そのうまれによって変わっていくのですが
それとは別に、「牡羊座からはじめる提携の並び」はホロスコープの「定盤」として考えるため、
それぞれの質は、それぞれ一室から順に牡羊座、牡牛座…的な性格を帯びているというわけです。

これのうち1〜6は個人的な世界を
7〜12は対外的な世界を象徴する、と。そういう意味です。

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