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第114稿
手前味噌な話ですが
「 本堂落慶 」
平成二十八年十一月六日

ご挨拶
 本日はお忙しい中、拙寺本堂落慶式にお越し感謝申し上げます。

 旧本堂解体より、五年の歳月が過ぎました。本日、本堂落慶式を迎えるにあたり壇信徒の皆様方、工事関係に関わられた方々、更には有縁無縁野僧気の届かぬ方々に対しても重ねて御礼と感謝申し上げます。

 宝勝寺は140戸弱の壇信徒を持つ決して規模の大きな寺院ではありません。その事だけを取り上げても、計画自体無謀な事業で有りました。住職として落慶式に至ることは唯々喜びに堪えません。
 本堂建築には、喜多工務店さんの計り知れぬお気遣いを頂いて居ります。至らぬ事多い中、社長さんには当方の我儘を嫌な顔ひとつとして顕さずにお付き合い頂き、棟梁玉置さんには多くの指導助言を頂きましたこと重ねて感謝申し上げます。
多くの寺院で本堂を建てるとと言うことは壇信徒にとって五世代六世代に一度有るか無いかの大事で有ります。が、住職として特に先頭に立ち旗を振ったのではありません。

 三十三年前、祥福寺専門道場の門をくぐり、出家者の生き方を示され叱責を頂いた師匠であります又玄窟河野太通老大師の後ろ姿を僅かにしか学んでおりません。亦、当時雲水として指導されていた?然室木村太邦老大師の人に対する姿勢も僅かにしか学んではおりません。その姿を真似るだけで、本堂新築と言う結果を生み出せましたこと両老大師の成せる桙ノ他なりません。

 更には、晋山以来約四半世紀総代長として常に支えて頂いただいている芝栄一氏にも特に本堂の問題に於いて多くの労倦を掛けたことお詫びすると共に感謝忘れ得ぬ思いを申し上げます。亦、役員会に於いて常に忌憚なきご意見を頂いた役員様方々へも厚く感謝申し上げます。

 本堂を建て直したのは、決して住職の業績では有りません。「報恩謝桙フ思い興隆仏法の志し」と書き残された、妙心寺開基花園法皇の目指された社会の平安と仏法に対するお気持ちが今日も多くの方々に理解され生き続けているからこそ、今日を迎えたと感じております。

住職合掌



―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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