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第85稿 ぼたん鍋

 ボタン鍋と言えばイノシシのお肉を頂く料理である。で、今回は特別な「ぼたん鍋」の話。
 30年程前、道場にご厄介になっていた頃の話であります。

 お昼と夕食(お昼を斎座、夕食は薬石。ちなみに朝食は粥座と言います)昼夕とお汁がつく。正式な食事に成ると、ご飯からお汁、おかず、お茶まで決まった順に配ってくださる。こちらの食事の進み具合は関係ない。そうで無い席では無いと、少しゆっくり食べていたような気がする。ただし、喋りながらは御法度。無音無言です。
 ある日のこと、お汁の具材が色とりどりである。赤、青、黄と交差点の信号である。
 「?」デアル、味で言うとキャベツのようなキャベツで無いような。早い話が「葉ボタン」。正月も終わり、飾りの葉ボタンの再生利用と言うことであった。知客(しかと読む、道場で上から二番目に偉い方。私と性格が全く合わない)曰く「ぼたん鍋ジャ」。こちらとしたら「何を考えて食べさせるんジャ」である。
 葉ボタンが食べられるのかどうか不明であったので、神戸市・緑の相談室・に尋ねたそうである。聞かれた方も返答に困りご丁重に調べ「食べられないと言う文献は無かった」と、連絡を受けお汁の具材として我々の胃袋に落ち着いた。確かに、玄関の辺りに有った葉ボタンの姿は消えていた。

 既に、近隣の畑で育てられていた葉ボタンは出荷も終わり、春野菜の肥料になるべくコンバインで土の中に鋤き込まれて姿は無い。正月では無く、二月の終わりになると不思議と思い出す。その、ぼたん鍋のお汁は出てきたのは一度きりで有った。其の後、三十年になるが一度も喉を通過したことが無い。その時の知客をされた方も、鬼籍に入られ久しい。その方とは、意見が合わず道場では一年半会話をしていない。道場から出ては、不思議と親しくお付き合いをさせて頂いた。こちらの寺に晋山した時も、遠路に係わらずお越し頂いた。

 お互い、色々な性格を身につけている。気に入らぬ処に目を向けるより、気の合う部分だけを上手く引合えば道場でもバカな話を出来たことで有ろう。気が置けない付き合いというのは難しいようで簡単な事で有るはずだ。どうも、好き嫌い、暑い寒い、損した得した。無駄な意識に振り回されている。

 食べられるのか、食べられないのか。一々考えずに一度皆さんも「ぼたん鍋」に挑戦を。

 ちなみに、ハボタンは
 アブラナ科アブラナ属の多年草で結球しない古い品種のキャベツだそうです。
 食べる時の注意点、
 <1>食用として育てられないため野菜に使用してはいけない農薬が沢山使用さ    れている。
 <2>余りおいしくない 

 有りました。食用のハボタン、野菜として作られた品種「さんご系」と言うのがあるそうです。ネットで探すと写真で見ることが出来ます。
 今年は、小さな畑に色々植えて食べてみるか。

 最後に、知客て誰 「 サンサンは ハボタン消えて あらわれる 」 知る人は判る。 もう一つ、「おみおつけ」漢字で「御御御汁」と表記。最近はは「御味御汁」と書くそうである。どちらが正しいのやら、ヤレヤレ。
合掌 大門

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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