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第84稿 21円

 境内の掃除(落ち葉と草引きが主)をしていると、偶にお金を拾う。御供えが風で飛び亦カラスに玩具にされることがその原因のようである。

 暮れは、新年に向かってそれなりにあちらこちらと掃除片付けを気付かぬままでは有るが丁寧になる。百年ほどの銀杏の落葉は、さほどややこしくは無い。問題は四百年になろうかという「モッコク(赤芽)」である。常緑樹、年二回落葉をする。人間に喩えるならば二百才を越す。以前、その関係の方に「国の天然記念物」と声を掛けて頂いたが、お断りをしている。指定されると、何かと規制やらで面倒くさい。この「モッコク」京都から毎年庭司(師では無い) に来て頂いて剪定やら消毒を願っている。草引きや根を守る為も有り砂利を撒いてる。

 サテ掃除の段となると、少しやっかいである。砂利は直径6ミリ程、掻き集めると当然のこと落ち葉と砂利は混ざっている。テミを使いイワユル「タンニング」を丁寧にすると、落ち葉や小さなゴミだけを取り除ける。先日午後の作業で、21円収穫があった。時には「一文銭」が出てくる。その昔、懐から落とした物か、どこぞからか転がり落ちた物か、三途の川の船賃か。其れは判らないが少したまっている。

 そんなことをしながら、春夏秋冬時間は過ぎていく。

 大門 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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