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第77稿 木蓮 華 散りて

 暖かいと言われる紀南の地も、住み慣れると三寒はそれなりに冷える。とは言え、朝方冷え込んでも、手水鉢の水は凍ることは無い。凍っても、セロファン紙のような薄さであるから暖かい。
 和歌山は山間部や紀北へ行けば、水は普通にり、雪も積もり、霜柱も立つ。同じ日、太平洋の温暖な暖流は海岸近くにハイビスカスを咲かせ、山へ入ると樹氷を見ることの出来る対局な面を持っている。

 それだけ暖かであるならば、庭木も雑草も常に生え成長するかというとそうでも無い。彼らも、この寒さに慣れ親しみ活動を休む。
 彼らが、毎年活動を開始する合図が「木蓮の開花」では無く「落花」である。蛇足、木蓮は今咲き出した。合図になるのは「白木蓮・ハクモクレン」花の色が白い。本来、木蓮の花は紫色、分けるために「紫木蓮・シモクレン」。
 種は出来るが、住山以来20年来未だ発芽し無い。日を追い、ツツジや皐と花は咲き続けていく。その足下は、なにやら色々と草が伸び出す。
 境内には、モッコクとナギの大木がそびえ立つ。常緑樹は春と秋に総て葉を入れ替える、落葉である。
 ハクモクレンの落花から、冬雪白く冷ややかな時期に至るまで、草引きと境内掃除を欠かせない。除草剤はよほどのことが無ければ使用しない、草刈り機で十分間に合う。が、地下足袋の履いている時間が白足袋に負け出すと、草の生える早さに勝つことも追いつくことも出来ない。ノロノロ竹箒を持って彷徨うのが現実である。で、今年も「木蓮花散りて」掃除の開始。

ダイモン合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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