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第65稿 季節の挨拶

 シロアリは家屋にとっては厄介な虫である、アリと言うがゴキブリの仲間だと言う事である。イエシロアリの羽化は梅雨の終わりを教えてくれる。
 7日から10日たつとヒメハルゼミが鳴き出す。梅雨の終わりと夏の到来を的確に知らせてくれる。気象予報も確かに正確である、局地的ではあるが身近な生き物の生活は遙かに正確な情報を知ることが出来る。

 このタイミングを彼らはどの様にして捉えるのであろうか。この疑問は生物学や生態学と言うジャンルの学問として発達してきた。情景として捉えると文学や影像として生み出されてきた。そのまま捉えると宗教的な愕き、感激、喜びになる。
  シロアリも蝉もそんなことにはお構いなし。人間が「アーーでも無い」「コーーでも無い」と理屈を駆使して対物的世界観から見ようとしているだけである。
 人間がシロアリや蝉に同化すれば又見方感じ方も変化する。悲しいかな、生まれてからの記憶だけが頼りで生きている私たちには同化することが出来ない。同化する事は至って簡単なことである、記憶を使わなければ良いのである。

 ここ毎日、4時過ぎに目が覚める。5時前にはヒメハルゼミは鳴いている、5時に新聞が届くのでそれまでの時間は蝉の鳴き声だけが総ての世界に成る。
 芭蕉は「 閑さや 岩にしみ入 蝉の声 」と同化の愕きを残した、愚僧は鳴き声を聞いているだけ。

お盆と言う事です

 何故か毎年この日が巡ってくる。何故だろうか。わざわざ暑い時期にしなくても良いじゃ無いか。過ごしやすい春と秋のお彼岸で充分では無いだろうか。「お盆とは、熱したフライパンの上でタンゴを踊るようなモノ」と或るおば様が言っていた。踊りを知らない私ですが、言葉だけを覚えている。お盆です。

 お盆にお墓参りもお寺参りも行けない人。茅野環くぐれなかった人のために、写真を一枚。



大門 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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