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第56稿 おはなし2つ

ウサギの話
 先日、用事が思ったより遅くなり夜道を帰ってきた。寺に近づいた時、久方ぶりに「兎」に出会った。耳の長いカイウサギ(全体に白い毛)ではなく、耳の短いノウサギ(全体に暗い色の毛)である。ここ三年ほど見かけなかった、姿を見て嬉しく感じた。
 ウサギの語源は色々ある。「う」は兎を意味するそれに付け加え、兎を意味する梵語「舎舎迦(ささか)」がなまり「さぎ」となって「ウサギ」と呼ぶようになった。
 又、古い時代の朝鮮語と言うことも聞いたことがある。個人的には朝鮮語説の方が現実的な論と思っている。

 古い朝鮮語では「鷺(さぎ)」と言うそうである。中国語や韓国語に見られる発声音の初めに発音しない「ん(う)」を発声する日本語は、「ん(う)さき」と発声する。他の動物で言うと「ん(う)ま」馬が有名。私にとってはどっちでも良いのでそれ以上興味が沸いてこない。
 暫くして気がついた。そう言えば十二支ではもうじき「卯」に成る。古く中国から輸入された年・月・日の表し方で「干支」と言う。干支とは、兄(え)弟(と)
つまり陰と陽の表し方。五行に十二支掛けて六十で一回り。で、還暦となる。

 ウサギの話に戻り、年賀状やカレンダーを見ると、総てウサギの耳が長い、色つき画像では毛の色は白。今のところ耳の短い図柄を見つけていない。短いと何の動物か判らない、ましてデフォルメするのに格好の特徴であるから短くするわけにもいかぬのであろう。茶柱住民にはイラストレーターさんが多い。要らぬ事を言うなとお叱りを受けるやもしれない。

蓑虫の話
 この頃やっと身の回りに蓑虫が増えてきた。
 神戸震災の頃にオオミノガヤドリバエという寄生バエが中国から飛来し、日本ではオオミノガがほぼ絶滅した。オオミノガの北限は関東、現在オオミノガヤドリバエが関東でも確認されている、尖閣諸島と同じぐらい大きな問題と言っても過言ではない。枯れ葉を身にまとった虫は絶滅危惧種になっているのかどうかは知らないが、冬の景色から無くなるのもそう遅くはないだろう。
 只、オオミノガヤドリバエは中国本土全体に分布する虫ではない、木の新芽を食べるオオミノガを駆除す為、中国南部や熱帯地方に棲息していた生き物を導入した事によって、飛来できない距離が縮まり季節風によって日本にたどり着いたと言うことになる。

 ところで、オオミノガヤドリバエは中国本土で問題を生んでいないのであろうか。中国でも蓑虫が全滅する日は近いので有ろうか。2012年問題には、蓑虫問題入っていないのかな。抜けていても大問題。蓑虫の繭で作るハンドバックを永遠に作れない。一度だけ見せて頂いた、持っている人は世界に何人とか。

ダイモン 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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