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第52稿 日本で生まれた「お彼岸」

 曼珠沙華 多くの人は彼岸花と呼ぶ、まだ寺の周りでは咲いていない。小さい頃に覚えた別名は「死人花」 なぜそのように呼ぶのか、亦花を切り取って家に持ち帰ると「火事」になるとも聞いたこともある。鱗茎部分に毒があり食すると時には死に至ることもある。そんな処から「死人花」 敢えて毒性のことを「火事」と称して、日常生活から避けるため子供に教えたのであろうか。
 只、鱗茎はデンプン質を多く含んでいるので先人は長時間水に晒し害性を無くし飢饉の時に救荒食として食していた。
 この花も稲作と共に中国から渡ってきた。畑や田の周りに植え特にモグラの被害を減らしたと言うことである。

 わざとこの時期日頃足を踏み入れない山奥へ散策に行く、今では道もなく平らな茂みに、毒性有るが故に猪に荒らされるとこと無くたまに花が咲いている。歴史から忘れられた場所に昔に人が住み、間違いなく生活があり農作をしていた名残として赤き花は時を経て教えてくれる。

 お彼岸は、日本で生まれた宗教行事である。先祖供養の行事として定着しているが、元々そうではない。聖徳太子は物部氏と蘇我氏との諍いを反省し、昼と夜の時間が同じになり過ごしやすい時季を区切として、楼閣から民衆の生活を眺め恒久平和な世界を日々願われた。(私の持論)つまり「日願」は彼岸(苦しみのない世界、迷いのない世界)となり今日に受け継がれている。江戸時代、浄土思想の影響を受け先祖供養として民衆に広がり今日のお彼岸となった。

 お彼岸と言えば「ぼたもち」と「おはぎ」。語呂合わせ的な部分もあるが、牡丹(春)と萩(秋)となる。「ぼたもち」と「おはぎ」は同じ作品でも季節によって名前が違う。

蛇足
どこの店か記憶はない、品書きに「たぬきうどん」と有った。
「たぬき」は「そば」で、「きつね」は「うどん」。
「たぬき」頼べば、「きつね」が出てくる、化かされたのか抓まれたのか・・・
私、大阪の生まれ。地方のことは知りません。

ダイモン 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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