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第41稿 この冬

先月下旬、縁のある和尚さんの晋山式に顔を出した。
福井県は小浜である。

車で行くか、電車にするか。最大の問題は現在乗っている車に有った。
225/60R18と言うタイヤの寸法。
思案の末スタッドレスタイヤの履き替えに落ち着く。

如かしながら、時期相応の雪は行き帰り道ばたにも無い状態。
かろうじて山の頂上にうっすらと見えるだけ。
何事も用心を心がけるのは無駄ではないが、
気抜けするぐらい雪がなかった。

一晩に腰ぐらいの高さに積もれば、家から表通りまでは自力で雪かき。
3日4日と降り続けば、屋根の雪下ろし。
雪も流せ積む場所が有る時は助かるが、その場所が無くなればお手上げ。
まして、奥まった所に車を止めれば一大事。
そんな冬を3回、20年ほど前に日本海で過ごした。

一月の末、寒く冷たくドンヨリとした雲の下、
白く淡く雪の積もった白黒の景色を今から思えば本当は見たくて見たくて、
晋山式を隠れ蓑にしてきっとハンドルを握っていたのだろう。
この時期ウラニシと云われる季節特有の雰囲気の、
鉛色したドンヨリとたれ込んだ雲も雪も見ることなく太平洋に帰ってきた。

2月6日午前中に珍しく雪が舞った。
空は青空。この冬まだ薄氷も張っていない。

紀南 日置川畔 だいもん

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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