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第38稿 どちらの時間も楽しんでいる

火鉢
今、時間が空けば火鉢を作っている。
在郷の方が三十年ほど前、川の中からブルドーザーで引き上げてきた。
楠である、本堂の濡れ縁にと云うことで無償で譲ってもらった。
作業の足場も無く、重機も近づけない場所に横たわっていた。
台風の雨により流され再び川の中へ、
大きなユンボで引っ張ってみたが長さ六丈太さ3尺弱から四尺強、無理であった。
次の年台風により河原に移動、
元々有った場所から2回の台風で約10km水の力で動いたことになる。
重機やトレーラーを都合して製材所に運び込む。
譲って頂いてから四年が経過していた。
傷みのない部材は厚板で一年寝かし、
再度製材各種の板となってガレージの空間を既に6年占拠している。
その製材できない残骸で火鉢を作っている。何時出来るかは不明。
問題は、少し雨ざらしにし過ぎたこと。腐りやら虫食いが思うより進んでいた。
漬け物と一緒でほったらかしにすると良くない。

ローテーブル  手付かず の 脚
困ったことに、脚の材料に不足している。
天板までの高さを決めてもらうため、
先日新居のお祝いにと考えていたご夫婦共に来山の機会に見て頂いた。
此方は欅の輪切り。手持ちのケヤキ材には脚にするような材がない。
で、これまた何時出来るや不明。

棺桶
親御様近々御利用予定 父親は制作期間中の事で間に合わず。
つまり、母親用。
御利用の本人も中に寝っ転がって既に納棺予行演習は終わっている。
総檜造り
私も転がってみたが、少し横幅か狭かった。

如かしながら

一日中玄翁鑿鋸を持っている訳にもいかず、外は境内の掃除。
内は生活空間から本堂・書院・玄関・東司と色々総てをする訳ではないが、
ゴソゴソしていると直ぐに昼。
人が来たり、郵便局や銀行、食材の買い物にに行くとこの時期日が短い。
あっという間に猪や鹿の勤務時間となる。

つまり、本業のゴソゴソ以外のゴソゴソは熱が入るものの
時間短く進む作業ではない。
まして、声を掛けられると、お話を聞くのも仕事。
かくして掃除の時間も以外の時間も線を引くことなく毎日の時間は過ぎていく。
まして何かを作って小銭を稼ぐ訳でも無し。
本業も趣味も唯同じレベルで進んでいく。

今更気付いたわけではないが、
稼ぐと言うことにおいて働くのが嫌いである。
遊んでいると何不自由無く生活出来る、と言った生活を希望するわけではないが、他人から見ればそれに近い生活を私はしているのかもしれない。
面白いことにどちらかの時間を過ごしている時に特定の人が訪れる
「オッサン今日も遊んでハル、気楽なこっちゃ」。
たまには草引きしてる時に来ておくれ、どちらの時間も楽しんでいるのだから。

だいもん 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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