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第30稿 あと、10kgやせましょう

 先日、和歌山県下同宗同派のボンサンばかり集まる会議があった、7つに分けた教区より毎回20人程集まる。・・・9年程この役を頂いている。私だけ人員不足と無能故リストラされない。任期は3年半残っている。会議の内容は、様々。別に丁々発止と議論に発達する事はない。

そこでの話

 席に着きレジメを前にコーヒーを頂きながらの会議時間、失礼ながら話の内容を詳細に覚えていない。覚えているのは・・・

 コーヒーカップを持つ指の余りにも美しくない。節くれて胼胝(タコ)だらけ、おまけに傷痕だらけ。更に色が濃い。向かいやお隣の和尚さんの指を観察すると、白く細く小さい。何と上品なお手々なんだろう。同業ではあるが、どうも仕事の内容自体違うようである。と言うより、楽しみの世界で土方、大工をお寺という枠の中での仕事にしているから当然と言えば当然。問題にすることでもない。

 以前はその人の手を見ればどういった仕事に就いているか想像できた。職種によって決まった特徴が読み取れた。今は、そう言った事が薄れてきている。病気も同じく職業的な事が言われた。

 坐禅のしすぎか座り方がへたくそなのか、以前「前立腺肥大」と言うよりも壊死の何歩か手前になった。医者に言われた「仕事はトラックですかタクシーですか、座りっぱなしは治りませんよ。」一事が万事、人相悪く労働者の匂いを示しているのであろう。医者の想像はあながち間違いでは無い。何処のタクシー会社か知らないが、運転手さんが一々外からドアを開け閉めをしてくれる。お陰で、前立腺肥大に成らないで済む運転手が増えたそうである。僅かな運動も大事である。

 世の男ども、前立腺を守れ。さもなくば遠慮会釈もない指の餌食になるぞーーー

 さて、世の中では「メタボ、メタボ」と騒がしい。原因は色々あるが検診の度、肝臓で引っかかる。アルコールはこの12年程摂取していない、単純にドクターストップ。

 でも引っかかる。何れ、肝硬変、肝炎、肝臓ガンか何かに成るのであろう。そんな気がする。二次検査と言うことで病院に訪れると必ずこう言われる。カルテの職業欄を見ながらか、「和尚さん、少しは汗もかくぐらいの運動しなさい」返事は手のひらを見せ「この手の職種は分かりますか」どの医者も相手にしてくれないし、怪訝な表情をする。問診と触診だけでなく、他にも観察してちょうだい。
 故に、教科書通りのご注進と成る。 其れなりに汗を出した後に「少しは汗もかくぐらいの運動しなさい」どうも、私の消費カロリー量が足りないみたい。曖昧な愛想を言いながら綺麗な指は、キーボードをカチャカチャと不機嫌にカルテに何事か文字を埋めていく。

そして最後に「あと10kgやせましょう」

 今に見て居れ、クシャミで吹き飛ぶぐらい軽い灰になってやる。待てよ、二酸化炭素削減だ、焼かずに土葬にしておくれ。
だいもん

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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