茶柱横町 茶柱横町入口へ
 
 
プロフィールを見る
前を見る 次を見る

第24稿 お参り-2〜7

お参り その2 <元同僚、旧姓T女史>
 「浜さん、かすみ草が好きやったから」と言って機会が有れば束で供えてくれる。首のまだ座らない長男を抱き上げ振り回していた。酔っぱらって私の頭にソフトクリームを帽子の代わりに載せた人である。

お参り その3 <元同僚、TあるいはNと呼ばれる女史>
 現在NPO法人で日々忙しく活動をしている。亡くなった家内とは長く同居していた、二人の同居の仲を裂いたのは私である。亡くなる前後随分迷惑を掛けた。先年、法人運営の関係者と利用者、30人程か旅行を計画し寺までバスでやってきた。 昼食に境内で焼き肉パーティー。慌ただしく且つのんびりと過ごしホテルに帰っていた。俗に言うお参りをしたかどうか記憶にない。帰り際、寺の下に住んでいる母親に大声で駆け寄り「アーーーーNです」と叫んでいたのを覚えている。本当の女史は文面とは違う、繊細な神経の持ち主でありお嬢様育ちであります。
 娘は、この女史の生き方に痛く感嘆している。

お参り その3 <息子2人>
 現在、二人とも下宿中。兄は知り合いのお寺にお世話になっている。夏休み期間中、寺の留守番で拘束。弟は甲子園めざし、プロめざし、大リーグめざし、かどうか甚だ不明である。学業忘れ硬式野球に日々を生きている。この弟は、不定期に一晩か二晩急に帰ってくる。
 両者とも、帰ってきた時帰る時に一応は祭壇の前に行く。「座わって・・・」と毎回声を上げるが、あっさりとしたモノである。

お参り その4 <Rex>
 Rexは飼い犬である。祭壇の下の空間をたまに昼寝の場所にしている。 夜になれば、色々な動物に吠え乍ら走り回っている。以前、猪に太腿を突かれ怪我をした。昼間遊び相手をしないと下のババ様相手に昼寝をしている。
 鑑札は有る、リードと首輪は部屋の柱にぶら下がっている。夕方、鐘を鳴らすと付き添い無く帰って来たり迎えに行ったり。
 体重7キロの「ミディアム」ダックス。成長しすぎた感有り。50m走私より遙かに早い。

お参り その5 <桜>
 庫裡の離れ、窓から桜を覗ける。窓いっぱいに咲き出し。咲。散る。洗濯物をたたみ乍ら、窓から流れ込む花びら、屋根を越えヒラヒラ舞う花片に春を過ごしていた。
 理由は知らないが、桜が好きであった。
 爾来、洗濯の山に埋まり一人で眺めている。

お参り その6 <以心伝心>
 「和さん、これ奥さんにお供えしといて」と道ばたや、玄関で愛語を頂く。

お参り その7 <告報:一日の予定を報告する事>
 今、私は生きています。
  今日は草刈り。
   今日は掃除。
    今日は惰眠。
     朝、なぜか報告する。

          大門 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

バックナンバーINDEX
前を見る 次を見る
| 著作権について | このページのトップへ | 茶柱横町入口へ |