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第16稿 日本人に欠け続けて行く宗教的生活

宗教の怖さ、強さ。
      あやふやさ。
          確かさ。
              今日、日本人に欠け続けて行く宗教的生活。

 「いただきます」「ごちそうさまでした」 合掌
 食事のたび、知らず知らず他の命に感謝する言葉。ずいぶん前のことであったが、学校給食でこの言葉は、宗教的意味合いがあると保護者より指摘を受け、何も言わずに食べるようにと『オフレ』を出した都会の教育委員会。後日、元に戻ったと聞いた。が、誰が戻したのか、教育委員会か定かでない。

 「ごめんなさい」「ありがとう」 不報の恩
 反省の意志もなく、感謝の意も持たずテレビの画面に映し出される肩書き多き人々の言葉。

 「私の倫理に反する、行動」 慈悲
 当事者しか分かり得ぬ苦しみ悩を観ずに、理路整然と論説し生活の糧を得る人。

 良寛さん、やくざな息子へ意見を頼まれた。意見も一言も言わず、只泣いた。若き頃からの自身を振り返えれば、自分が情けなくて泣けてきた。「鰈になるんだ」と、海を見つめた庄屋の長男。社会にそっぽを向いて、欲にまみれて、感謝なんかくそ喰らえ。可愛くて可愛くて、意地らしいじゃないか、愛おしい。思うがままに生きている人間だ。良寛さんの目に映る、生き生きとした、わがままな仏。

 一休さん、小便引っかけてお地蔵さんの開眼法要。みんなしている立ち小便。一度はしたこと有る野糞。犬や男に、小便引っかけられる電信柱。小便引っかけられて怒ったお地蔵さんに手を合わし頭を下げる人々。儂も仏も無くなってしまえ。

 ご飯炊きあがる度、韋駄天さんにお供えしないとご飯を食べられ無くなっているパブロフの子供たち。ケーキひとつ多く買う父親。五分後に始まる、お下がりケーキ争奪戦。話相手のいない一人で飲むコーヒーの味気なさ。

 伊弉諾尊・伊弉冉尊も知らない次世代の子供たち、国作りの神話も教えない、教えてはいけない日本の教育。先生も知らない神話の世界。講談や落語、浪花節で覚えた人情と歴史。

 尻尾を踏まれても判らない人型アンドロイド。生きている事を自覚せず、理屈で大切な命。食事に流れる餓死や自爆死傷者の、ニュース。何処にでもいるいじめっ子、頭をはたく事を忘れた社会。あんたらと勉強したらアホになると、教育大学付属小学校生徒に言われた親戚の子供。

徒然なるままに
だいもん

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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